KaiV71の観測データとASAS-SNデータを組んでみた
これの続きです。ASAS-SNのデータでも、私の観測データでもほぼ同じ程度の変動幅と周期が見つかったので、両データを組むのは比較的容易です。ただし、KaiV71の近くに16等ぐらいの星があるのと、VizieRで見るとさらに他の星が近くにあるようです。
それらの合成光度を15.51等と見積もってASAS-SNデータをdeblendしました。
そうすると観測データとピッタリあいます。
ここでは、この変動はELLによるとして、1周期二山にしました。(したがって極小を元期にしています。)変動幅は約0.06等です。
OQ Gem のサーベーデータを位相図に入れてみよう
OQ Gem のサーベーデータとしてはASAS-SNとAPASSがあります。ASAS-3も一応ある程度の量のデータはあるのですが、やはりASASには暗すぎてあまり当てになりません。NSVSにはデータがありません。極小観測としては発見者のHoffmeisterのが二つ、Frankという人のが第一極小と第二極小それぞれ一つあります。昨日ブログに書いた元期と周期で位相図を作りました。
一応これでも満足できそうなのですが、サーベーデータを入れてみると、ASAS-SNのデータポイントが第一極小への減光部分で自分の観測カーブより左にずれています。それと、Frankの第二極小の観測(ピンク)が自分の観測カーブでみえる第二極小よりもっとフェーズ0.5から離れています。
第一極小付近の拡大図です。
周期をホンのわずか(0.00006日)長く2.40600日にするとASAS-SNがかなりきれいに緑のカーブに乗るようになります。
ところがそうするとFrankの極小観測はかなり右へ、Hoffmeisterの二つはもうこの範囲から完全に右にはずれて見えません。
この周期で作った全体図です。
まだ自分でもはっきりしないのですが、このように位相図がなってしまうのは、周期が変化したためか、それとも近星点が移動しているためか、どちらかのように思えます。
ご意見をお聞かせください。
再測光した極小観測から元期を再計算
変光している比較星で作った極小のカーブと新しく使った比較星で作った極小のカーブは微妙に違うのでしょう、極小時刻を求め直したら、数分の違いが出ました。
7803.3727から7803.3767。約5分半遅くなりました。
これから、いろいろなサーベーデータを入れて見ます。
夕べは娘達を駅に車で迎えに行こうとしたら、バッテリーがあがっていてパニック。地下の車庫で一人で車をウンウン押してはその動きでモーターを動かそうとしたけれど結局できず。完全にダウン。今日は体中あちこちがすごく痛い~!
一年前のOQ Gem の観測を再測光
1月30日のブログに書いたように、一年前にOQ Gemを観測した時の比較星が実は変光星(KaiV71)でした。なので測光した結果は当然不正確でした。下の位相図はKaiV71を比較星として測光した結果を使用して作成したものです。
食外でかなり波を打っていて第二極小がどこにあるかよくわからないので、当初周期がこの二倍の4.8日あまりかと考えました。
下の位相図は別の星を比較星として全観測を再測光し、その結果から作成した位相図です。
食外のライトカーブがかなりスッキリして、しかも今度は第二極小がはっきりと見えるようになりました。このおかげで周期が2.4日あまりとようやく結論付けられました。第二極小が見たところフェーズ0.5よりホンのわずか左にあるようで、このOQ GemもV437 Aurのように楕円軌道なのかもしれません。(もちろんこの場合はかなり弱い楕円と思われますが。)
MT Gemの改訂が無事にVSXに受理されました
これの続きです。
先週末、27日に出来上がった位相図と共に色々の要素の改訂をVSXに送ってみました。その頃、ちょうどセバスチャンからメールの自動返答で「今休暇中」と来たので、これでは当分受理されないだろうと思っていたら、今朝無事に受理されたとのことです。
https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=14576
なんでもやってみるものですね。VSOLJに報告したスカスカの穴だらけの極小観測もNgaさんがちゃんとそれでもO-Cを計算してくださいました!0.002だそうです。あの観測をした夜は本当に雲だらけで諦めかけたことも何度かあったのですが、どこか雲の隙間から数フレームでも撮れるかもしれないと頑張り続けたのが報われました!減光の時はある程度連続観測できたのですが、その後撮れたのはたったの3フレームだけです。
昨日のKaiV71はOQ Gemの比較星だった!
昨年1月から3月にかけてOQ Gemを何度も観測して、周期をああでもないこうでもないと探しました。その時に比較星として使っていたのが、実はKaiV71の星でした。というわけで、KaiV71の変動がたとえかなり狭いものであってもOQ Gemの測光結果に影響していました。言わばOQ Gemの本当の変動とKaiV71の変動を重ね合わせたものが測光されてしまいます。
今日、昨年の測光データからデータを作り直しました。変光星V、比較星C1、チェック星C2とすると、当時の測光データには幸いV-C1 V-C2 C1-C2が測られているので、ちょっとデータの処理を変えれば、変光星の測光し直しと、KaiV71の変光が同時に得られました。
そうやって得られた観測データで作ったKaiV71の位相図です。(昨日の位相図の元期と周期を使っています。)
2倍の周期の場合。
ところどころ髭みたいにスキャッターが多いところがありますが、全体の変動幅が0.1等にも満たないのでそこは目をつぶってください。位相も昨日のとピッタリあっているので、周期は相当正確に見つかっているようです。
KaiV71 の正体をASAS-SNデータで探る
KaiV71は昨年9月にたまたま古い観測フレームを検査していて見つけた新変光星で双子座にあります。これがその時のブログ。
ちょうどまた双子座の観測シーズンになって来たのですが、スイスの天気は本当にこの冬はひどく、残念ながらこの星を観測する機会には全く恵まれていません。
仕方なく、古い観測を蒸し返してみたり、サーベーデータを探したりで気を紛らわせています。
KaiV71のデータをASAS-SNからダウンロードし、周期を探しました。
0.1-1日の範囲で0.6058日が出ました。この場合は1周期あたり一山です。
RRなどに似ていますが、変光の範囲(たった0.06等位)やカーブはちょっと違うようですね。
おそらくこの2倍の周期でしょう。
まだもう少し観測して見る必要がありそうです。
昨日MT GemのRevisionをVSXに報告しようと、まずセバスチャンに見てもらうためにメールを彼に書いたら自動の返事が来てなんと3月6日まで夏休み休暇!
今、急いで新変光星を登録しようとしても、彼が戻ってくるまでどうせ待たされます。とりあえず、色々の星の正体をゆっくり探っておきましょう。