muttenz's blog

スイス星空だより

アイスランドの旅

4月3日にバーゼルの空港から直行便でレイキャヴィクに飛びました。朝6時の便なので、3時半に起きて真っ暗の中、車で空港へ走りました。まあ、観測の時にはそんな時間に起きることもありますが、ちょっと早起きが辛かった。

バーゼルではもう春が訪れていてサクラも咲いたりしているのですが、レイキャヴィクはまだまだ冬。飛行時間約4時間弱でレイキャヴィクのケフラヴィーク空港に到着。

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ケフラヴィーク空港

シャトルバスで市内へ。そこで35年前にフルートのレッスンをしてあげた事があるKさんが待っていてくれて、彼の家に連れて行ってくれました。朝ごはんを頂きながらつもる話をし、少し海岸やら町やら見物。お昼を食べてからレイキャヴィク市内にある空港へ。そこからアイスランド北岸にあるアクレイリへ飛びました。

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レイキャヴィクの町です。

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離陸してすぐに見えた景色。氷河が削った谷でしょうか?それがさらに水の侵食を受けたと思われる景色です。

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さらに飛ぶとこんな景色が見えてきました。タイタンに見つかった川や湖を思い起こしました。

飛行時間は一時間足らずで、アクレイリの空港についたら、友人夫婦が待っていてくれ、彼らの家に行って夕飯を頂きながらいろいろ話すと、あっという間に夜はふけていき、外では静かに雪が降り出しました。アクレイリは北緯65度くらいに位置していて、北極圏スレスレです。

久しぶりに観測 ASAS113804-0026.5

4月3日から10日までアイスランドに行っていました。素晴らしい自然、景観に感激しました。これについてはまた別の機会に。

アイスランドから戻ってきたらスイスでも素晴らしい天気。ちょっと旅の疲れがありましたが、頑張って観測!

この変光星は3シーズンの観測データとケプラーのデータを組んで一年前にVSXに報告した変光星です。DSCTタイプと別の星が周期6.96日で回っている連星系です。

以前載せましたが、ケプラーのデータ。

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上の図の一つの「M」を拡大すると

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上の図の谷の部分を拡大すると

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と見事なケプラーの観測データです。多重周期は明らかですね。

これが昨晩の観測データ。

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ケプラーのデータからDSCTの多重周期は何十と見つかっていますが、主な周期は0.0614日と0.05805日です。昨晩のデータからPDMで周期を出したら、0.058の方でした。(PDMででは0.0579...日とでました。)0.058の周期で作った位相図です。

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元期からすでに1400日は過ぎているのにフェーズがほとんどずれていません。DSCTの周期はまるで時計のように正確ですね。

周期未知の食変光星V643 Monを観測してみた 続き

muttenz.hatenablog.com

これの続きです。当時書いたようにあの晩の観測では変動が見られませんでしたが、ひょっとしたら極小の底だった可能性があります。それは、食外の平常光度を観測してみればはっきりします。チャンスが一昨日3月29日にありました。ディスプレイを見ていても21日より明るい感じです。これが一昨日の観測データを位相図に組み込んだものです。

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水色が新しい食外のデータ。

この周期の2倍の周期で作った位相図。

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ちょっと見にくいかもしれませんが、APASSのデータを赤点で表しています。APASSとASAS-SNデータはまああって見えるのですが、私の食外も極小もそれらに比べてちょっと明るいのです。この原因がわからず困っています。天気が良ければもっと観測して解決できるかもしれませんが、今の所どうにもしようがないです。周期も倍周期かどうか判断できません。

なんとかV664 Oriの第一極小を観測できた

3月23日夜、天気予報に反して晴れました。大急ぎで観測準備して開始。予報の極小時刻のほぼ1時間前でした。それでもディスプレイを見て直ぐ側の星と比べると、どんどん暗くなるのが良くわかります。極小時刻のあたりになったらほとんど写りません。一つには、変光星のすぐ近くには半月前の月が大変に明るく輝いていて空が明るくなっているせいです。モヤが来たかもしれません。スキャッターが多いのも空が明るいせいでしょう。

とにかくなんとか極小観測らしきものが出来ました。

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位相図に入れてみます。

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minima v.2.2でいろいろの方法で極小時刻を求めて平均を取りました。

O HJD 2458201.35314

C HJD 2458201.35497

O-C = -0.00183

でした。VSXに届けた要素でまず問題なさそうです。

周期未知の食変光星V643 Monを観測してみた

昨日は午後オーボエのホリガーさんと一緒に友人のお葬式でデュオを演奏してきた。久しぶりに晴天で、帰宅後すぐに観測準備。

ASAS-SNデータではこの変光星の周期が12日か24日あまり。22時(UT)前に極小の予報だったが観測してみたらほとんど平坦。しかしどうも平常光度より暗い値のようで、ひょっとしたら第一極小の底かもしれない。

仮の周期での位相図です。

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周期が相当に長いので、気の長い話です。

周期を半分の12日あまりとすると位相図はこうなります。

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フェーズ0.5あたりがそれらしく見えないことはないですね。

いつものように変光星が見つからないか探してみたらありました!

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なんとなくもう発見されているような気がしてVSXをみたら、2010年に発見されていました!残念!ただし周期がVSXに記載されているのより少し短いのか予報より少し早く極小になっていました。

V664 OriのVSXのデータ改訂が受理されました

昨日、倉敷の赤澤さんからこの変光星の見事な観測データ(Rcフィルターによる)を頂きました。

早速、今まで集めたデータと組み合わせて位相図を作成し、セバスチャンに「この位相図でVSXのデータを改訂してもよいか?」と尋ねた所、「もちろん」と言う返事が来ました。今朝、ちょっと細かいところを修正して改訂を申請しました。

つい先程、VSXから改訂受理のメールが来ました。

これがVSXのこの変光星のページです。

https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=23727

これが位相図です。

https://www.aavso.org/vsx/docs/23727/1704/OriV664_phpl_180320.png

ASAS-SNデータだと第二極小がよくわからないのですが、赤澤さんのデータだと減光がはっきりと受かっています。

赤澤さん、どうもありがとうございました!

昨日のV664 Oriの観測結果

久しぶりの観測、残念ながら風が強く、薄雲が広がりだんだんそれも濃くなってきて、この星が隣の屋根の向こうに消える前にはもう全く写らなくなってしまいました。

大変に変光幅のおおきなEAで、どんどん暗くなったことも写らなくなった原因です。

これが観測できた範囲です。

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これをASAS-SNのデータと組み合わせてみます。

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第一極小への減光ですが、二つのカーブ、あっていませんね。

それは、この変光星のすぐそばにある16等位の星の光がASAS-SNの測光に混ざり込んで、明るく測光されているからです。(contamination)

これはAladinの画像です。赤い矢印の星の光が邪魔しているわけです。

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この星の明るさは16.3等位で、それをASAS-SNのデータから減算しなければなりません。その減算した値でプロットするとこの様になりました。

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嬉しくなるぐらいきれいに重なりますね。この分で減光すると、おそらく極小光度は16.5位になるでしょうか?

ホフマイスターの観測データは見つけた限りでは二つあって一つは16等、もう一つは17等とあったのを、写真等級ですがそのまま入れました。(ピンク色の点)