muttenz's blog

スイス星空だより

再増光したSDSSJ141118.31+481257.6を観測

一週間ぶりに観測できる天気となりました。(一週間前は観測開始後すぐに曇ってしまった。。)

ちょうど、名寄の佐野さんがSDSSJ141118.31+481257.6が再増光したとVSOLJに報告されていたので、薄明から薄明までフルに観測してみました。

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一晩で8山もハンプが受かるのですから、周期は当然短いです!

昨晩のデータをPDMで解析しました。

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一番短い周期の谷がスーパーハンプの周期でしょう。0.0325712日(46.9分)

ただ観測のライトカーブを見ると一山おきに高めと低めのが交互に入れ替わっているように見えます。そのためかPDMでも2倍周期の谷もほぼ同じくらいに出ています。

位相図を一応作ってみました。(増光しているようですが、線形近似はしませんでした。)

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この位相図の0.5付近に減光中小さな山ができています。

面白い変光星、KaiV37を久しぶりに観測

昨年、VSXに新変光星として登録できたKaiV37を久しぶりに観測しました。

タイプはBY、黒点やホットスポットがあって星の自転によって変光するというタイプですが、位相図がどんどん変化するのが面白いです。

2016年、17年と観測したデータと一昨日の夜の観測を一つの位相図に入れました。(VSXに報告した要素はBYの場合にならって、極小を元期にしていますが、個人的には極大の方がはっきりしていてわかりやすいので、極大に元期をとっているオフィシャルではない位相図です。)

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この1年でまたガラッと変わってしまいました。

まず極大部分しか観測できていませんが、全体に暗くなっています。

そして、極大から減光してすぐにまた増光していることです。(ひょっとしたら、第二極大の方が第一より明るくなっているかもしれません。)

周期は安定しているようです。(ホットスポットかなにかが動かずに安定している。)

一昨日のデータだけの位相図です。

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昨晩のV392 Per

12日ぶりに観測できました。(天気は私がジュラ地方に行っている間素晴らしかったのですが、その後は1週間ずーっと曇りでした。)

昨晩のV392 Perですが、ずいぶんと暗くなってしまいました。約45分観測しました。

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終わりの頃のこの星の仰角は16度ほどなので、かなり色によっては怪しいデータかと思います。印象としてはBVの組とRcIcの組が離れた感じです。

今までの3回の観測を一つのグラフにしてみます。

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これを見ると、Rc Icの間隔が最初の方に比べてはっきりと狭くなっています。

観測時の高度が低かったためでしょうか?それともリアル?

Saint-Ursanneは素敵な村

まず、Saint-Ursanneがどういうところにあるか、グーグルマップで見て下さい。

https://www.google.ch/maps/@47.3642091,7.1545475,385m/data=!3m1!1e3

Doubという川を目の前にした村で、橋を渡って村に入ります。

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グーグルマップで拡大してみると村に入る道が左右から来ていて入り口は全部で3つあります。そして村全体を囲むように家が並んで外壁を形成しているようです。このようなやり方は他の村でも見かけます。昔はちょっとした防衛のための作りだったのでしょう。。

Doubの川の水はきれいに澄んでいて、魚が泳いでいるのが見えます。名物のマスでしょう!

村にはなかなか意匠をこらした作りも見かけます。

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この川で捕れるマスをお昼に食べたいのですがと、インフォーメーションで尋ねたら、車でちょっと走ると良いですよと勧めてくれました。

またグーグルマップです。(追記 最初に書いたアドレスは村の位置でしたので正しいアドレスに改訂しました)

https://www.google.ch/maps/@47.3345036,7.1404483,392m/data=!3m1!1e3

Taricheというところ。キャンピングをしている人達もたくさんいましたが、早めに行ったので楽に席を取ることが出来てゆっくりと美味しいマス料理を頂きました。その後でせっかく緑の真っ只中に来たのだからと、森へ散歩。するとこんなものが見られました。

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フェースブックで、Oさんがジュラ山脈の名はジュラ紀のジュラですか?との質問をしてくださったのですが、まさにそのとおりで、ジュラ山中に沢山見られる石灰層はジュラ紀に出来た地層です。この写真もそのような石灰層です。この記事のためにウィキで調べたら、ジュラ紀は三畳紀と白亜紀に挟まれて、大雑把に言って2億年前から1億4000万年前あたりの地質時代です。この真っ白の岩もざっと1億年以上昔に出来たのかと思うと、天文学的時間スケールです。ジュラと聞くと、今では多くの人がジュラシックパークを思い浮かべますが、ウィキペディアによると、ジュラシックパークに出てくる恐竜はほとんどがジュラ紀のものではなく、白亜紀のものだそうです。。。

ちなみに白亜紀はドイツ語ではKreideというのですが、Kreideは白墨の意味です。

Oさんが一昨日の記事にあった天文時計の仕組みを知りたいとのことですが、私もよくわかりません。ただ、ウィキペディアで調べたらかなり詳しい説明がありました。

天文時計 - Wikipedia

特に下の方に読み方があります。

先日の画像はフラッシュをたいたためにあまりはっきり写っていなかったので、別の画像をアップロードします。拡大して見て下さい。ウィキペディアの説明にかなり一致しているものがあります。例えば時刻、暦表、十二宮、竜針などそのとおりです。

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ヨーロッパの各地に大きな天文時計が見られます。ウィキペディアの記事に写真と共に幾つか挙げられています。シュトラスブルクやスイスのベルンのは見ました。プラハのも一度行って見たいものです。

さてこれで、先週末の2日間の小旅行のレポートを終わります。

読んでくださってありがとうございます。

お誘い下さったChさんとVさん、楽しい二日間ありがとうございました!

PorrentruyからSaint-Ursanneへ

Porrentruyではこの可愛らしいホテルで一泊しました。部屋数は少ないですが、清潔でとても感じが良いホテルでした。

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Auberge du Moutonは「旅籠屋ひつじ」とでも言うのでしょうか。Aubergeとdu Moutonの間になんと1715と書いてあります。創業1715年なのでしょうか?!でもとにかくかなり古そうで、博物館に古い絵葉書を収集したものが展示されていて、その中にこの旅籠屋のカードもありました。ただこの頃はRestaurant du Moutonとなっていて旅籠屋ではなかったかもしれません。

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ヨーロッパのいろんなお店では看板をこんな風にかけます。青空を背景に綺麗です。

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二日目は朝食後、ホテルのすぐ近くに「フーコーの振り子」があると言うので見に行きました。

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高さはそれほど高くなく、10メートルぐらいです。私が小学生だった時に上野科学博物館に連れて行ってもらった時に見たフーコーの振り子は今でも眼前に思い浮かべられるほど強烈な印象でした。あれは階段の一番上から地上階までだったから相当に高かったと思います。

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これは真夜中に動かし始めれば今の時刻(9時半)を指すはずですが、振り子が示す時刻はだいぶ遅れていました。きっと適当に振り始めたのでしょう。これでは振り子の振れる向きがだんだん変わっていくのがすぐにはわかりません。。。

フランス語で説明がありました。

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フーコーの振り子によって地球が自転している事が証明できるとか、振り子の向きが変わるのではなく、地面が地球の自転によって回転しているのだとか。それから、ここでの振り子が360度まわるに必要な時間は 1恒星日/sin 47.41(この土地の緯度)= 32.5 時間 とまで説明されています!

この説明中にフーコーが1851年パリのパンテオンに設置した振り子のことが書かれていて、なんと振り子の重量28kg、長さ67m、一回の往復時間は16.5秒、最大振幅は6mとあります。これだと一回行って帰ってくると元の場所から数ミリメートルずれるそうです!

フーコーの振り子を見学してから、車で20分足らず走って別の美しい町、Saint-Ursanne (サンチュルサンヌ)に向かいました。

続きはまた明日。。。。

ジュラ山脈の中の町Porrentruyへ

先週末は友人夫婦に誘われてスイスのジュラ山脈の中にある小さな町Porrentruy(ポラントリュイ)に出かけました。バーゼルから車で走ること1時間。この町はフランスへの国境まであと少しというところにあります。

グーグルマップへのリンク

https://www.google.ch/maps/@47.4236095,7.092817,15277m/data=!3m1!1e3

可愛らしい町で目抜き通りも数分も歩けば通り抜けるほど。

町のシンボルはイノシシ!私はイノシシ歳なので親しみを覚えます!その奥の赤い縞模様とビショップの杖が組み合わさっている旗がジュラ州の旗です。

一番奥にお城が見えています。

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スイスの時計産業はフランスから逃げてきたユグノーのおかげだと聞いていますが、その際、スイスのジュラ山脈にそってジュネーブからヌーシャテルなど、各地に時計産業が発達しました。この町でも時計づくりが盛んで、博物館にかつての時計の制作機械などが展示されていました。

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いくつもの小さなドリル?をいっぺんに動かせるように工夫されています。

これは時計の中の軸受などの為の直径1mmぐらいのルビーの円盤。

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これに穴をあけたもの!

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こういった軸受がこのような基盤に埋め込まれます。

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天文時計が展示されていました。

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Astrolabeとなっていて、黄道十二宮とか一年の十二ヶ月などが見えますが、どのようにして何が読み取れるのかはよくわかりません。太陽と月の位置はほぼ合っていそうです。

博物館からお城に向かい、そこの38mもの高さがある塔にも登ってみました。

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上から町を見下ろします。左の方に通ってきた目抜き通りが見えます。

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この続きはまた明日。。。

ASAS113804-0026.5今年の観測

数は少ないのですが、3月からこの星を何度か観測できました。

昨年VSXに登録した元期や周期で位相図を作ってみました。

この星は少なくとも二つのほしから成り立っていて、食は起こしていませんが、その二つの星の回転周期が6.9日あまりです。ELLタイプ。

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観測数が少なすぎてよくわかりませんね。。。

二つの星の一つがDSCTタイプで多重周期が見つかっていて、その中でも振幅の強いものが二つあります。

0.06日あまりの。

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0.058日あまりの。

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二番目の極大がフェーズ0.0に乗ってませんね。周期が少し変わったのかな?