昨年VSXに登録したKaiV39のデータを改訂
KaiV39は小熊座にあり赤緯も79度と北極星の近くになります。この変光星は2016年にASASSN-16hbを観測中に発見したのですが、大変に暗い星で、その後観測は昨年までしませんでした。
しかしせっかく見つけた変光星、うかうかしているとATLASなどが発見登録するかもしれないので昨年さらに2回観測してかろうじて周期、変光範囲など決めてVSXに登録しました。
自分としては精度に不満があったので今年良い天気がかなり続いたので観測を続け一応満足いく結果を出せました。
上の位相図の要素だと今年のデータはかなりはずれてしまうので、周期を改善し元期も今年の第一極小観測から得たものを使ってVSXのデータを改訂しました。
下図で黒が2016年の、赤が2019年の、緑が2020年の観測データ。
V等級で17等台と大変に暗いのでCフィルターで観測し、差光度と比較星のRc等級で光度を算出しました。その場合AAVSOの決まりでCR等級の表示となります。
カタログ(ASAS-SN、ATLAS、Gaia)に記載はありません。
久しぶりにCVの観測 GP CVn
先週はずっと雨が続きましたが、また晴れの天気になり、3晩続けてGP CVnを観測できました。
このCVは食がありライトカーブは深い食で区切られます。
3晩のライトカーブです。
伊藤さんが観測されているのと合わせて周期を出してみたら、0.0629263(90)が得られました。VSXには0.06295041とあります。
伊藤さんが発見された新変光星2つをVSXに登録!
伊藤さんがMASTER_OT_J061642.05+435617.9の観測中に発見された新変光星2つをVSXに登録できました。
ItohV03はDSCTタイプで変動も小さいのでサーヴェーにも引っかかりにくく、新変光星は明らかで、周期を見つけ割とすんなりと登録できました。
もう一つの新変光星はEAタイプで、伊藤さんがある日増光しているのを発見しその後観測を続けられたらどうも周期が1日あまりらしいとわかりました。その周期だと極小付近ばかりを観測することになるので、お手伝いすることにしてスイスでも計3回観測しました。周期を1日あまりとした場合の第2極小が受かるかどうかやってみましたが第2極小の時刻にはスイスでもほとんど星が沈んでしまうのでかなり難しい状況でした。結論からするとどうも変動はなさそうでした。
この星はEAなのにASAS-SN VSDBに記載はなく、ATLASではdubiousとなっていて周期も2.5日と完全にハズレているので、VSXの規定でこの場合は発見のクレジットは伊藤さんになります。
ASAS-SN VSDBに記載はないのですが、ASAS-SNのデータをとって周期解析をしたらかなりはっきりした位相図になりました。伊藤さんの観測データと組み合わせることによって周期も精度を上げることができました。
2倍の周期、2日あまりの可能性もあるのですが、伊藤さんの観測されたデータで第一極小と第二極小の差があるかどうかは確実には判定できません。その段階でセバスチャンに意見を求めたら一応極小値が2つあるようなので周期として2日あまりを取ることにしました。これがその位相図です。
ATLASがほとんどの変光星を見つけてしまっている今日の状態で、EA、しかもこれほどの短周期の食変光星を見つけられたのは素晴らしいことです。
伊藤さん、2つの新変光星発見、おめでとうございました!
昨年6月に変光星観測者会議でMuniwinのソフトのことなどを紹介して変光星を探そうと講演したのですが、その直後にATLASのデータが公開されて、講演の意味はなくなってしまったと少々がっかりしていました。しかし伊藤さんはその講演を聴いて以来観測データを変光星がないかチェックしておられ、今回の発見に至ったそうで、私にも大変に嬉しい出来事でした。
金星とプレアデス 4月3日夜
金星がスバルに最接近したのは4月3日の夜で、天気に恵まれてきれいに見えました。
このところ実に良い天気が続いていて、コロナヴィールスの感染拡大を少しでも抑えるための外出を控えるのを守るのが皆難しそうです。
金星とプレアデス
金星がプレアデスに近づいていて、明日、3日には最も近づきます。
明日の天気はひょっとしたら曇るかもしれないので、記念撮影をしておきました。
ASASJ071404+7004.3を観測 周期解析のつづき
先日来、赤澤さんが観測を続けて下さいまして、昨晩の観測ではフレア的な増光を観測できたそうです。赤澤さん、どうもありがとうございます!
このような現象を伊藤さんも観測しています。
私も観測しています。
このような増光がこの変光星の特徴のように思われますが、今まで見つかったこの急激な増光をきれいに全部重ねられるような周期は見つからないようです。ただほぼ重ねることはできそうですが。
とにかく今手元にあるデータ全部を使い周期0.1-1日の範囲でPDMで解析した結果です。
今まで有力視されていた周期は姿を消し、新しいピークがいくつか見つかりました。
深い方から順に4つの周期(0.4802 / 0.5700 / 0.3723 / 0.4028)で位相図を作りました。
一番深い値の周期での位相図です。
3つの急増光、水色、赤、青は0.0の前後に並んで
全く重なってはいません。
二番目に深い値の周期での位相図。
赤と青の急増光は0.0付近でピッタリ重なっていますが、水色は0.45あたりにあります。
3番めに深い値の周期の位相図。
あまり良くわからないかもしれませんが、水色、赤、青の急増光がほぼ0.0付近に集まっています。
4番目に深い値の周期で位相図。
赤と青の急増光は0.0付近で水色のは0.3あたりに離れています。
どうもこれだと言える周期は見つからないようです。
増光以外の部分のライトカーブの重なり具合は2番めと4番目がなんとなく重なっている感じで、1と3はぐしゃぐしゃに見えます。
加藤さんが書いておられたような周期、0.2482やその2倍は出てきませんでした。
ASASJ071404+7004.3を観測 周期解析のつづき
スイスの天気はまたずっと悪天候の予報です。そこで倉敷のAさんにこの星の観測をしていただけないかメールを差し上げたら、やってくださるとのこと。倉敷の天気も夜半から良くなったそうで、データをいただけるのを楽しみにしていました。
一方、昨日までのことを加藤太一さんにメールでお知らせしました。
今朝、Aさんからデータが、加藤太一さんからもお返事のメールをいただけました。
加藤さんのお話では今まで集まったデータで0.4-0.5日の範囲でPDMで解析すると0.4969が出てくるとのこと。昨日書いた0.4612692とは全く別の値です。
一方、Aさんから頂いたデータでこの0.4612692日の周期で位相図を作ったら全く合いません。凹凸がほぼ反対だったりでした。新たに周期を求めました。
今回は0.23台の方が0.46台より強いピークになりました。
位相図です。
0.46台の周期で作った位相図です。
一応位相図を作成しましたが、加藤さんのところに集まったデータではこの周期は出てこないので、まあ無駄ですよね・・・