muttenz's blog

スイス星空だより

NSV 3506について

数日前にMoriyamaさんがvsolj-obsへの観測報告にNSV 3506が通常より2等ぐらい暗くなっていますと書いておられました。 [vsolj-obs 70568] CCD変光星観測報告(2021/03/03) by Myy それについてvsnet-eclに加藤さんがこのように投稿されました。 [vsnet-ecl 7…

Gaia DR2の年周視差にマイナスの値がある?!

先月、札幌の金田さんからメールでGaia DR2の年周視差にマイナスの値があるものがあるのですが、一体どう解釈すればよいのでしょうと質問をいただきました。 えーっ!?本当にそんなデータがあるのですか?とお尋ねしたらサンプルを送って下さいました。 plx…

VSXのV831 Aurの周期と変光範囲を改訂

1月16日に伊藤さんがVSOLJにV831Aurの観測報告をしておられ、その中で極小予報が4時間位ずれていて、極小観測ができなかったと書いておられました。VSX(GCVS)の元期や周期は2000年頃のでそれほど古くもないのに4時間のずれは大きいです。ひょっと…

Gaia DR2のGmag、BPmag、RPmagデータからVmagなどの推定値を得る

このテーマについて2019年3月にブログで一度書きました。 muttenz.hatenablog.com その後新しい論文が出てそちらの方が使いやすいので、紹介します。 gea.esac.esa.int 2019年の手法だと方程式を解くというような手間のかかる方法でしたが、ここで…

山本さんが発見された YmoV31 をVSXに登録 (3)

前回書いたようにASASSNデータを修正する必要がないので、gデータだけを少しずらしたデータ(このシリーズ初回のブログ参照)をPDMにかけて周期を探したら246日が得られました。 APASSにデータがないか探しましたがたった一つの測定値しかありません。し…

山本さんが発見された YmoV31 をVSXに登録  (2)

YmoV31はへびつかい座にあって天の川のなかで周囲は星だらけです。 ミラ型のように変光範囲が大きいと周囲にある微光星の影響も無視できません。というのは変光星が暗くなった時期のASASSNデータは、周囲の微光星の光を変光星の光と区別できず、変光星の光度…

山本さんが発見された YmoV31 をVSXに登録 (1)

昨年末に個人的に山本さんからメールを頂き、長周期の変光星 YmoV31 (山本さんが個人的に付けておられる仮名称)を見つけたが新変光星だろうかとのご相談を受けました。 VizieRで検索してみると、ATLASで変光星として登録されていますが、タイプは IRR (Ir…

KaiV107の発見からVSX登録まで(9)  「VSXに登録」

2019年の観測はVフィルターで行いました. そのデータと2017年、2020年のCフィルターでの観測の食外の光度を比較しました。Cフィルターでの観測データで比較星の光度にV光度を使うと(このような場合、VSXではCVデータと表記することになっていま…

KaiV107の発見からVSX登録まで(8)「新しい位相図」

周期を2倍にして9月19日までの2020年の全観測データを位相図にしました。 元期は今まで通りで、周期は今までの4.1332日の2倍で8.2664日です。 この要素でそれぞれの極小付近を拡大してみますと。 第一極小付近です 第二極小付近です 第二極小がフェ…

KaiV107の発見からVSX登録まで(7)  「18日の極小は今までの極小とは異なる!」

前々回書きましたように、1年前の極小が位相図でちゃんとフェーズ 0.0 に乗るという事はこの周期はかなりの精度があると保証されます。 前回書いたような予報と極小時刻がずれたということは、今までの極小とずれた極小は異なる極小という結論に達しました…

KaiV107の発見からVSX登録まで(6)   「極小時刻が予報より早い?!」

昨年の9月はかなり良い天気が続き、14日は予報どおりに極小が受かり、次の極小は18日夜の予定でした。その晩はバーゼルの音楽堂が4年がかりで改築されて新しく入ったパイプオルガンのお披露目の演奏会がありました。遅くなって帰宅し、まずSS CYGを赤…

KaiV107の発見からVSX登録まで(5)  「2019年のKaiV67の観測フレームでKaiV107を測光」

基本的にはどんな観測でも、測光後必ず変光星が無いかフレームをMuniwinでチェックしていますが、たまにはある星の変光に気が付かないこともあります。 あまり大きな期待はせずに2019年のKaiV67を撮影したフレームを全部チェックし直したら、かなりのフ…

KaiV107の発見からVSX登録まで(4)  「周期を前回の2倍にしてみた」

この変光星を発見するきっかけとなったKaiV67はもう足掛け3年ぐらい観測しています。2017年に観測したフレームに写っていないか全部チェックしたら数回写っているので測光しました。残念ながら極小の観測はありませんでしたが、このような食外のデータ…

KaiV107の発見からVSX登録まで(3)  「3回目の極小を観測」

2020年の夏は良い天気が頻繁にありましたが、極小予定の日にちょうど晴れるまでさらに4週間かかりました。8月20日から21日にかけての夜に3回目の極小を観測できました。 これで4日あまりの周期はそう外れた値ではないことがはっきりしたのでそれ…

KaiV107の発見からVSX登録まで(2)  「2回めの極小が受かった」

2020年7月18日にKaiV107の極小が受かってわずか4日後にまた極小らしいものが受かりました。 早速この2回の減光が重なるように周期を探すと、4.016日ぐらいとなりました。 昨年のそれまでの全観測データとこの周期でとりあえず位相図を作成しました。

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて 補遺 (cG - V) と (B -V)の関係

これから書くことはCanon EOS Kiss X7のリニアリティとは直接関係は無いのですが、その時に調べたデータからcGmagとVmagのズレが星の色によってどのように変わるかを数少ないデータですが調べてみました。 調査では15の色々な明るさの星を選びましたが、星…

KaiV107の発見からVSX登録まで(1)  「発見」

前回のKaiV110が発見されたのと同じようにKaiV67を観測中に2020年7月18日に発見されました。発見時のライトカーブです。 とってもはっきりした変光なので、これはもうどこかのサーヴェーですでに発見されているだろうと思ったのですが、意外にもASASS…

KaiV110の発見からVSX登録まで  「ようやく登録できた!」

正しいと思われる周期が見つかり、それで作った位相図もリーズナブルなものなのでいよいよVSXに登録を準備できます。 フェーズ0.0付近を対称にしたり、いくつかの極小観測ができるだけ重なるように周期や元期を少し変化させたりして微調整をします。たとえば…

KaiV110の発見からVSX登録まで  「ほんのわずかの凹みが」

前回載せた位相図をもう一度 この位相図を見てフェーズ0.75付近で赤いデータの凹みがあるのがどうも気に入りません。赤いデータは2020年8月の観測で、この凹みの部分のフレームを念入りに見たり、比較星が変光していないかなどを調べたりして原因を探し…

KaiV110の発見からVSX登録まで  「観測をするとしないとでは。。。」

「観測をするとしないとでは無限大とゼロの差がある」という本田實先生のお言葉を倉敷の赤澤さんが座右銘としておられると、かつて教えて下さいました。 そのことを実感したのが2020年11月6日でした。 その日、久しぶりに観測ができそうな天気が巡っ…

KaiV110の発見からVSX登録まで 「周期を探す」

下図は前回書いた2回めの極小のライトカーブです。 最初の極小から9.004日後の9月18日にまた極小が受かった 前回書きましたが、9日あまりでまた極小が受かった場合、この2回の極小が同じ極小であったのか、それとも異なる極小だったのかは、今回…

KaiV110の発見からVSX登録まで

あけましておめでとうございます! 本年もどうかよろしくお願いいたします! 予告いたしましたように、昨年発見した新変光星、KaiV110をVSXに登録するまでの経緯を書きたいと思います。 2017年5月に矮新星を観測していてKaiV66と67を発見しました。以来…

2020年のVSXへの新変光星の登録は7個

今やいろんなサーヴェーが新変光星をごっそり見つける世の中ですが、それでもこの一年で合計7個の新変光星をVSXに登録できました。 内訳は私のKaiVが4個(105,106,110,107)、伊藤さんのItohVが2個(03,02)、山本さんのYmoVが一つ(30)です。 伊藤…

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて (6)

先日大島さんが、ピント少し外してドーナツ状の星像でもAIP4IWINではちゃんと星像として認識してくれますよと書いて下さいました。 下は以前に載せた2段ピントを外して撮影した画像ですが、最初はこれを調べても役に立たないのではと考えましたが、念の為に…

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて (5)

前回、「ピント少し外し」、「高輝度側、階調優先しない」のオプションで撮影した画像のリニアリティを載せましたが、同じピントのママで「高輝度側、階調優先」を「する」にして撮影した画像のデータです。アパーチャーはまた3.5に取りました。 「ピント少…

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて (4)

今まで書いてきたことは金田さんとメールをやり取りして色々とご意見を伺いながらやってきました。 どうもリニアリティが21000付近で破綻しているようで、これだと観測できる星の範囲が狭まるとの危惧に、金田さんがピントをぼかして撮影したらどうかと提案…

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて (3)

AIP4WINにフレームを一枚取り込んでSingle Star photometry tool を起動し、アパーチャーサイズを決めて画像の星をクリックしていくと次のようなデータが最終的に得られます。 V1,V2はクリックした星の座標 V3はそれぞれの星のアパーチャー内でのピーク値 V…

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティについて(2)

もう一度復習しますと、今回のANDRTのライトカーブの歪みは測光ソフトや、測光の仕方が原因ではなく、キャノンの受光部がある輝度(それも比較的低い)をこえるとリニアではなくなり、そこの範囲では撮影された星像のフラックスが本来ならあるべき量より少な…

Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて (1)

今年春から10cmのニュートン反射にCanon EOS Kiss X7をつけて食変光星の極小を観測し始めました。色々と問題が生じましたがなんとかデータとして使えそうな観測になってきました。 ところが、かなり重大な問題が起こりました。 ことの起こりは今年11月12…

木星と土星(と木の枝)

もうすぐ最接近と騒がれている木星と土星の(見かけ上の)接近。これは日食や星食と違ってまあ世界中で見られるわけですが、両星ともに南の方にあるのでスイスだと高度が低いです。日没後の見られる時間も極めて短い。とハンディキャップが色々とあって撮影…