muttenz's blog

スイス星空だより

ASAS154808+1612.3の続き(新変光星を発見!)

昨日、ブログに記事を書いた後で、外を見たらなんと晴れている。じつに3週間ぶり。CCDカメラのフロントガラス交換をしたのでフラットを早く撮りたいのだが、残念ながらもう真っ暗だったので、それは諦め。昨日のブログに書いたASASの変光星を観測して見ることにした。論文に付いているデータでは、これはRotationによって変光していることになっていて、周期は0.39877dとある。

ダーク補正はしたものの、フラット補正はしていないが、とりあえず昨日の観測結果を見てみたが、確かにゆっくりと変光している。

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これは、フリーソフトのMuniwinで測光したもの。このソフトの便利なところはComp.Starをすぐに変えて見ることができること。この程度の変光は、Comp.Starと変光星の色が違うとよく起こるのだが、Comp.Starをいろいろ変えてみても変光の傾向が変わらなければ、まず本当に変光している。

最初、中央右上の一番明るい星をComp.Starにして見たがそうするとどの星もほんの少し変光する。飽和はしていないし、これはおかしいというので、調べたら、なんとASAS154756+1607.8というEAの食変光星で、周期は0.72711d。

それから、上図で左上のグラフは、検出された星のComp.Starに対しての明るさをX軸に、Y軸にその星のsdをとったもの。暗い星ほどsdは大きくなるが、同じ明るさの星に比べてsdが大きいとその星は変光している確率が高い。このソフトのお陰で、昨日は未発見の新変光星を見つけられた。X軸の2.5くらいの所で恐ろしく飛び上がっている点があるが、それが新変光星。(2のすぐ上の点は二重星の場合に起こったもので、すぐそばの星の光が時々混ざって変光しているようにみえていて、変光星ではない。)

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この星のCRTSのデータをダウンロードして、PDMで周期を求めたら、0.3208045dとわかり、これがそのPhase plot.。EWタイプですね。観測によるライトカーブがほぼ完成できたら、VSXに届けよう。

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