アルヘンホルト天文台の展示品(続き)
昨日、Altona天文台の子午環やそのそばの時計のことを最後に書きましたが、その後日本のサイトで三鷹天文台のゴーチェ子午環のことなどについて書かれているものがあり、そこに同じような精密時計の写真が見つかりました。
http://archive.is/cqJuD で、下の方にある写真6を見てください。
Altona天文台について読んでいたら、有名なAstronomische Nachrichten、略称ANは初版から初期にはなんとAltona天文台が出版していたものなのですね。
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Astronomical_Notes_1823.jpg
この本の編集者として表紙に載っているSchumacherという人がAltona天文台の台長でした。
さて、子午環の望遠鏡と目盛環全体を支えているやり方がすごいです。
この小さな説明図で読み取れるかどうかわかりませんが、二つのシリンダーA、A1のようなものの上にJ、J1と書いてある天秤ばかりみたいな構造のものがあります。実際にJ、J1のあたりをてこの支点として、J1のばあい右のほうで下に垂れている鎖の先におもりがあって、それがてこによって子午環の右半分の重さを支えています。
次の写真はPolarisation-Fotometerとありました。1900年頃、ポツダムのToepferによる製作。望遠鏡とつないで星の明るさを測るのに用いられたとありますが、どうやったのかよくわからない。
次のただの真鍮の円盤みたいなものは、ケーニヒスベルク天文台のHeliometerのマイクロメーターのネジ部分だそうです。このマイクロメーターを用いて1838年ベッセルが61 Cygの年周視差の測定に成功し、史上初めて恒星への距離を測定したとのこと。
ケーニヒスベルク天文台のHeliometerの図をドイツ語のWikiでBesselを引くと下の方で見られます。Fraunhofer製作ですが、このような器械で0.3秒位の視差を見つけたのですからすごいものです。
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Koenigsberg_helio.jpg