muttenz's blog

スイス星空だより

ぎょしゃ座のあまり観測されていない食変光星 続き FG Aur

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このリストの3番目、FG Aurを観測しています。この星の赤緯はASASの範囲外になるので、NSVSのデータを調べてみました。例のように周期を探すとVSXに記載の値(13.6454d)に極めて近い値(13.6614)が得られ、そのデータと周期でphase plotを作るとこのようになりました。

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更に発見当時の観測データを入れて元期、周期を求めて予報をしてみたら、12日の夜に第2極小がありそうでした。そこで、比較のために10日、11日とこの星を観測し、昨晩も星がほとんど沈むまで観測してみました。3回ともほとんど変光が見られないような印象を受けました。

しかし、この3回の観測データとNSVS、古い観測データを組み合わせてリーズナブルな周期と元期でphase plotを作ってみると、この3つのデータセットが異なるのがはっきりします。周期が長めのEAの観測はこれだから大変ですね。

緑、NSVS、中央の黒、古い極小データ、赤(1つだけ)APASS、青、ピンク、焦げ茶それぞれ10,11,12日の観測データ。

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とりあえず作った今月の予報は下のようでしたが、12日夜の観測では、実際にはもう第2極小は過ぎていたようです。(元期の取り方を数時間変えてもphase plotはほとんど変わりません。だから残念ながら予報が数時間はずれても不思議はありません。)

date      UT         n

 6     2.36  379

12   22.11    379.5

19   17.86    380

26   13.6     380.5

19日のmin Iは出かけるので天気が良くても出来ない。。。

26日のmin II、日本で22時半なら観測できるかもしれませんが、昨晩の観測からするとこの予報より4時間くらい早いかもしれません。

KWS(Kyoto-Kiso Wide field Survey)のデータでもphase plot を作れました。

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ただ、14等まで暗くなっているのはリアルでしょうか?