muttenz's blog

スイス星空だより

ドイツ博物館見学

昨日書いたように4階から7階まで天文に関するものがあります。(階はヨーロッパでは地上階、1階、2階と言い、例えば日本式4階は説明図などで3階となっていますが、ここでは日本式で書いておきます。)

4階の中央には沢山の観測器械、観測方法などについて展示されています。どうしたわけか全体に暗い照明で写真を撮るのに条件は悪いです。(博物館入り口で尋ねた所、写真撮影は自由にできます。)多くのものはガラス容器の中に展示されていてフラッシュを使うと反射してうまく撮影できません。

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星の位置観測のための器械、古いものから近代のものまで。

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大きな扇状のものは電波望遠鏡の一部です。

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とても精巧にできたハーシェルの大望遠鏡の模型です。細かい作動装置などまで良くできています。

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バンベルク天文台で使われていたシュミットカメラ。口径36cm、球面主鏡44cmはシュミットの制作1930年頃。(補正レンズはベルリンのオールミュラー制作1954/55年)

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シュミットがテストを行っている所。(彼は確か片腕だったと思います。。。)

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シュミット制作のシュミットカメラ第一号。1930年ハンブルクにて。後に1962年から南アフリカのボイデン天文台で使われた。36cm補正レンズ、44cm球面主鏡。

この部屋ではなく階段の踊り場になんと宇宙背景輻射を観測した設備の一部が展示されています。(コピーかと思ったのですが、器械の中を見ると古びていて本物くさい。)

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中央の光るビンのようなところがreference sourceで液体ヘリウムで冷やされており、右の四角い装置がメーザ増幅器だそうです。

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ペンジアスがガモフに送った論文に対してガモフが書いた返事。

ここにあった解説によると1965年にAstrophysical Journalに書いた論文中でペンジアス達は背景輻射の予想に関してRobert Dickeやプリンストンの仲間の論文(同誌に掲載された)だけを引用していたので、ガモフがもっと早くにAlpherやHermannが1948年に背景輻射の温度を5度と計算していたとこの手紙で注意しています。

手紙の最後にRobert Dickeの名を使って「Thus you see the world did not start with almighty Dicke」と皮肉っているようです。

ちなみにWMAP Sondeのオリジナル部品も展示されています。

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