V437 Aurという食変光星
つい2週間ぐらい前までは名前も知らなかった食変光星です。たまたま、VSOLJの観測報告で鈴木さんが観測報告をしておられるのが目に止まりました。とりわけ、食の予報が外れて食がなかったとか、別の時に減光が受かったとか言う記述でした。
早速VSXに行ってみたら、ちゃんと周期や元期が記載されていて、鈴木さんの書いておられた予報時刻などもephemerisに載っています。予報がこれだけ外れているということは、少なくともこの要素がだいぶ外れているということになります。
かなり明るい星なのでまずKWSのデータをダウンロードしました。PDMで周期を求めて見ました。
これだと食の時間に食外のデータが入ってしまっています。2倍の周期にすると極小が一サイクルで4つ並びます。。。
ASAS-SNは基本的には8等星だのは明るすぎるのですが、一応サイトに行ってダウンロードしてみたら、使えそうなのが来ました。
ASAS-SNのデータで同じようにすると。
こちらはまああっているかなという感じ。
そこでこれらの要素で予報を作り鈴木さんに送って観測を依頼しました。
date UT n
2 0.1169 466
4 8.7244 466.5
6 17.332 467
9 1.9395 467.5
11 10.5471 468
13 19.1546 468.5
16 3.7622 469
18 12.3698 469.5
20 20.9773 470
18日 UT12.3698時というやつです。これだったら位相図の副極小が当たっているはずです。
観測結果を楽しみにしていたら、まったく減光なしとの観測報告。がっくりです。
そこでもっと長い周期を探してみることにしました。そうしたら出ました!
11日あまりの周期で、しかもかなり強い楕円軌道です。その要素でまた鈴木さんに予報をお送りして観測していただきました。12月20日に第一極小があり、ヨーロッパでチャンスだったのですが、悪天候で私は観測できませんでした。しかし鈴木さんは朝方まで頑張って第一極小への減光をとらえてくださいました。KWS ASAS-SNのデータと鈴木さんのデータを組んだ位相図です。
鈴木さんどうもありがとうございました!今後共どうかよろしくお願いします。
これで、要素は多少の誤差があるにしてもOKと判明しました。その要素で予報を作りました。
明日、25日JST 23.53時に第二極小があります。
できそうな方は観測をしてくださいませんか。
12月 第一極小
date UT n
9 2.2966 187
20 21.3362 188
32 16.3759 189 (日本では2018年1月1日から2日にかけてです。)
12月 第二極小
date UT n
2 0.4459 -1
13 19.4856 0
25 14.5253 1