muttenz's blog

スイス星空だより

観測時刻(HJD)、周期、フェーズなどの関係

今ある食変光星(周期がP)の観測を考えてみます。(時刻はHJDとする)

ある時刻に極小が観測され、それを元期E0にするとその元期からN回後の極小時刻はご存知の T(N) = E0 + P * N

で出せますね。

また、ある時刻Tに対して(T - E0) / P = Nとすると、Nの小数部分はその時のフェーズになり、Nの整数部分は元期から何回目の極小かを意味します。

これからはNを何回目のような離散変数ではなく、小数部分もこみで連続していると考えます。

OQ Gemの極小観測は今までたった5、6回ほどのものですが、ここで、理想的な観測を想像してみます。ケプラーのような、しかももっともっと細かい時間間隔で、連続して行われる観測です。それが出来たとしたら観測時刻とNとの間にこのようなグラフの関係があることになります。

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この緑の線は直線に見えますが、実際には5つの点を通る様に3次曲線を作ったのです。理想的な観測があったとしたら、無限の点から出来たなんらかの単調増加の曲線(必ずしも代数曲線とは限りません)があることになりますが、ここでは3次の近似曲線で我慢しましょう。

(データから直接 a*x^3 + b*x^2 + c*x + dの係数を計算させようとしたら、エラーが出て出来ませんでした。ちなみに5つのデータしかないのでせいぜい4次関数の係数しか計算出来ないと思います。)

ここで、この緑の線を直線とみなすとこの傾きは平均周期Pになります。

OQ Gem の様にほんの僅かですが、周期が変動していると、ほとんど直線に見える線がが実際は曲線で、その曲線上の各点で曲線に接線を引くとその傾きはその点での周期になります。

つまり、この曲線を表している関数 f(N) をNで微分すれば、各Nに対してその点での周期を表している関数になります。df(N) / dN = P(N)