muttenz's blog

スイス星空だより

昨夜はKaiV91の第一極小があるはずでした。。。。

このEAタイプの新変光星KaiV91は2月12日にFY Oriの観測中に見つかりました。

その後、最初に仮定した周期が間違っていることがわかりました。

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このあとで、周期は決定的と考えて予報を作りましたが、周期がほとんど2日に近いため、極小がまた観測できるのは3月下旬となりました。

ようやく予報では昨晩第一極小がまたあるはずでした。。。。

今朝観測データを整約してどうもおかしいです。昨晩透明度が芳しくなくスキャッターはありますが、肝心の減光も増光も全く見られません。これは勘違いして別の星を測光したかと思い、よく見たら実際に隣の星を測光していました。よしと、正しい星を測光しましたがやはり減光も増光も受かりません。。観測結果を破棄しようかと思いましたが、それでもデータを採り、位相図を作ってみました。ピンク色のデータポインが昨晩のデータです。

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周期2.0472904 日で作った位相図

見事に第一極小の谷の上に昨晩の観測データが来てしまいます。

これは周期があっていないことの確かな証拠です。昨晩のデータも加えてもう一度PDMで周期を探しました。

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新しく見つかった周期で作った位相図

もちろん、こんなのっぺらぼうのハズがないので、周期はこれの整数倍となるはずです。2倍にしてみます。

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見つかった周期の2倍の周期で作った位相図。

さらに2倍にしてみると。

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見つかった周期の4倍の周期で作った位相図。

極小光度に二通りあるのでこれで良さそう。この周期2.0368004は当初考えた周期2.0472904とほとんど違いはないのですが、この15分ほどの違いで予報が外れたのです。やはり観測データの積み重ねは大変に大事だとわかった次第です。