伊藤さんが発見された新変光星2つをVSXに登録!
伊藤さんがMASTER_OT_J061642.05+435617.9の観測中に発見された新変光星2つをVSXに登録できました。
ItohV03はDSCTタイプで変動も小さいのでサーヴェーにも引っかかりにくく、新変光星は明らかで、周期を見つけ割とすんなりと登録できました。
もう一つの新変光星はEAタイプで、伊藤さんがある日増光しているのを発見しその後観測を続けられたらどうも周期が1日あまりらしいとわかりました。その周期だと極小付近ばかりを観測することになるので、お手伝いすることにしてスイスでも計3回観測しました。周期を1日あまりとした場合の第2極小が受かるかどうかやってみましたが第2極小の時刻にはスイスでもほとんど星が沈んでしまうのでかなり難しい状況でした。結論からするとどうも変動はなさそうでした。
この星はEAなのにASAS-SN VSDBに記載はなく、ATLASではdubiousとなっていて周期も2.5日と完全にハズレているので、VSXの規定でこの場合は発見のクレジットは伊藤さんになります。
ASAS-SN VSDBに記載はないのですが、ASAS-SNのデータをとって周期解析をしたらかなりはっきりした位相図になりました。伊藤さんの観測データと組み合わせることによって周期も精度を上げることができました。
2倍の周期、2日あまりの可能性もあるのですが、伊藤さんの観測されたデータで第一極小と第二極小の差があるかどうかは確実には判定できません。その段階でセバスチャンに意見を求めたら一応極小値が2つあるようなので周期として2日あまりを取ることにしました。これがその位相図です。
ATLASがほとんどの変光星を見つけてしまっている今日の状態で、EA、しかもこれほどの短周期の食変光星を見つけられたのは素晴らしいことです。
伊藤さん、2つの新変光星発見、おめでとうございました!
昨年6月に変光星観測者会議でMuniwinのソフトのことなどを紹介して変光星を探そうと講演したのですが、その直後にATLASのデータが公開されて、講演の意味はなくなってしまったと少々がっかりしていました。しかし伊藤さんはその講演を聴いて以来観測データを変光星がないかチェックしておられ、今回の発見に至ったそうで、私にも大変に嬉しい出来事でした。