Canon EOS Kiss X7 のリニアリティーについて (3)
AIP4WINにフレームを一枚取り込んでSingle Star photometry tool を起動し、アパーチャーサイズを決めて画像の星をクリックしていくと次のようなデータが最終的に得られます。
V1,V2はクリックした星の座標
V3はそれぞれの星のアパーチャー内でのピーク値
V4はその付近のスカイ値(どこでもほぼ同じ)
V5は(アパーチャー内の合計値)- (スカイ)
V6は器械等級に約21.54を加えた値で、その星の光度にほぼ近い値となります
V7はエラー値
V8は私が後で付け加えたもので、それぞれの星のAPASSからのV等級
特に重要なのはV3,V5,V6,V8です。
星のナンバー付けが完全に明るい順ではなかったのでV8のAPASSの値で順序を変えて読みやすくします。
この表の最初と最後の行を見比べただけでもリニアリティがどこかで破綻しているとわかります。V6での1と15の両星の差は3.7等あまりなのに対してV8での実際の光度差は4.5等あまりもあります。明るい星が暗めのフラックスしかないことがわかります。
これをわかりやすくするためにV6を縦軸にV8を横軸にしたグラフを作ります。
ナンバー5のVmagが8.956の星より暗い星のデータポイントは青い直線の上にきれいに乗ります。しかしそれより明るい星は明るければ明るいほど、その直線から外れて暗い測定値となります。
ナンバー5の星のデータを見ると、ピーク値が21000弱です。どうもこのあたりがリニアリティの境界線ということがわかり、APASSの値で9等より明るい星は気をつけなければならないということになりました。
このグラフを見て、どうも飽和するというより、なにかカメラ内の処理のソフトでこのようなことが起こっている気がしてきました。
続きは次回。