KaiV107の発見からVSX登録まで(6) 「極小時刻が予報より早い?!」
昨年の9月はかなり良い天気が続き、14日は予報どおりに極小が受かり、次の極小は18日夜の予定でした。その晩はバーゼルの音楽堂が4年がかりで改築されて新しく入ったパイプオルガンのお披露目の演奏会がありました。遅くなって帰宅し、まずSS CYGを赤澤さんのために観測してからKaiV107の観測を開始しました。それでも極小時刻には間に合うはずで、しかも極小そのものはもうこれで何度か受かっているのでそれほど重要性は無いと考えていました。
ところが明くる日観測データを処理していてこれはおかしいと思いました。極小が十分に受かるはずだったのになんと増光部分しか受かっていないのです。スキャッターが多い観測でしたが、下図がその晩のライトカーブです。
X軸の数字が小さくて読めないかと思います。左から0.44、0.46、0.48ですので、0.475は左から3番めの縦線のすぐ左付近となります。どう見てもそのあたりに極小があるようには見えず、ただ緩やかな増光しか受かっていません。
とにかくこれはショックでした。しかし完全に食外というわけではないので、極小時刻が少し早かったのだろうという結論になりました。
それからこれが何を意味するのか考えました。