muttenz's blog

スイス星空だより

KaiV107の発見からVSX登録まで(8)「新しい位相図」

周期を2倍にして9月19日までの2020年の全観測データを位相図にしました。

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元期は今まで通りで、周期は今までの4.1332日の2倍で8.2664日です。

この要素でそれぞれの極小付近を拡大してみますと。

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第一極小付近です

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第二極小付近です

第二極小がフェーズ 0.5 より少し左にずれていて、この星のシステムが楕円軌道を描いていることがわかり、周期も今までの2倍と確定できました。ブログの前シリーズで紹介したKaiV110の場合は、長い周期を考えていたのがどんどん短くなり、最終的には1日あまりになったのに対して、今回のKaiV107では短く考えていたのが、2倍2倍と、どんどん長くなっていきました。

この発見のきっかけとなった9月18日の観測データはフェーズ 0.5 のあたりの少しスキャッターが多く幅が広い部分で、第二極小のズレは位相図ではほんの少しに思えますが、観測では約1時間のズレとなったわけです。