muttenz's blog

スイス星空だより

ASAS154808+1612.3の色

昨日、この変光星のスペクトルタイプは、論文に付随したデータによれば「M」と書きました。

僕の観測からこの星のV-Rcを求めて、これを検証してみようと思い立ちました。同時に、V-Rcが変光にともなって変化するかもみてみる事にします。

まず、僕の6月4日の観測のRc画像を測光しました。比較星はVもRcも同じ3UC 213-121450ですが、まずこの星のVとRcのデータを取得しなければなりません。13等ぐらいの暗い星なのですが、APASSのデータならAAVSOのサイトから得られます。

http://www.aavso.org/download-apass-data

しかし、ここで得られるのは、B,V,g',r',i'光度なので、Rcは算出します。

得られた比較星のRc光度は12.501。

このRc光度を使って変光星のRcデータを得、V光度と一緒にライトカーブを描くとこうなりました。赤がRc、黒がVです。

f:id:muttenz:20130614051319j:plain

 

V-Rcはほとんど一定で、0.74。いつかも使ったこのサイト Intrinsic colours

http://www.stsci.edu/~inr/intrins.html

でV-Rcが0.74になるスペクトルタイプをみると、M0.0とM1.0の間です。

だから、論文付属のデータにある「M型」と一致します。

こうやって得られる色指数がどの程度合っているのか、チェック星で試してみました。本当なら大気減光とか、標準システム変換係数なんかをやらなければいけないんですが、大雑把にやってみました。

チェック星は3UC 213-121402。

APASSによるデータ            V mag 13.349  Rcmag 12.839

6月4日のVとRcの観測から得た平均光度は、Vmag 13.345  Rcmag 12.808。

まあ、すごく外れているわけでは無さそう。

以前から、標準システムに変換するのをやろうとしているのですが、まず綺麗に安定して晴れていることが滅多になく、秋まではちょっと無理なようです。(もし綺麗に晴れたら、観測をしたいし。。。)

なので、標準星野の代わりに観測画像の中の星々の光度にAPASSのデータを使うことにすると、(精度はある程度我慢することにすれば、)観測画像から変換係数を求められるのではないかと目論んでいます。