muttenz's blog

スイス星空だより

2年前の観測フレームとCRTSのデータからもう一つ新変光星を発見

2011年12月に観測したOT_J221232.0+160140のログに変光星?を幾つか見つけたとあり、そのうちの2つが後にはっきり変光星ということになって、KaiV2とKaiV3として、VSXに登録されました。

その他の変光星?がどんなものかもう一度フレームを見て見ました。また、当時ダウンロードしたCSSデータ、NSVSデータも見なおしてみました。当時は周期解析をペランソでやっていて、遅い上に周期を探すステップを細かく取れなかったので、せっかくのCSSデータも何の結果ももたらしませんでした。

昨年、Katさんのお陰で得られたRのPDMでこのCSSデータを再調査したら、すぐに正しい周期が出ました。0.2907982(8)d. 本当に素晴らしい!

この後で、CRTSのサイトに行って、この星のデータを見たら、前回データを取得して以来2年近く経っているので、データが増えていました。(明らかに外れているようなデータ、13個は削除しました。

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しかも、これを見るとこの星は、細かい変光をしながらだんだんと明るくなっているようです。

それなので、lfitを使ってその傾向を取り除き、改めてPDMで周期を求めました。その結果得られた周期は、0.2907983(7) d.でした。

その周期でphase plotを作ると下のようになりました。lfitをやったデータなので、y軸は平均光度からの差になりました。

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ちなみにlfitをやる前のナマのデータでは

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2年前の観測から得たデータで、この周期でphase plotを作ると下のようでした。

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これらを見ると、どうもEWなどではなさそうです。またDSCTかな?と思います。それなら、周期はこれの半分になるので、その辺りでPDM.

周期は、上記のほぼ半分の0.1453989(3) d.となり、それでphase plotです。変光範囲は上下に0.05等くらいで、全体で約0.1等です。

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lfitを行う前の生データでのphase plotは下のようです。lfitしたデータのほうが締まっている感じ。

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念の為にAPASSのデータを見てみました。これが問題です!

B mag 15.924, V mag 15.206 で B - V 0.718 ととても赤い!良くはわかりませんが、この値だとM0.0からM1.0の間くらいでしょうか。 でも、DSCTだったらFでしょう?!

この変光星のタイプは?