muttenz's blog

スイス星空だより

OT Lac の全体像

10月4日の第二極小の観測でようやくこの食変光星の全体像がつかめました。

ただ、10月2日に第一極小からの増光を2回目に観測した時にちょっとした問題が起こりました。1回めは9月27日でHskさんの観測に引き続いて観測した時ですが、そのカーブと2回目のが一致しないのです。(元期、周期は今までどおり)

明るい緑が1回目、濃い緑が2回目。

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これが重なるように周期を変化させてみたら、もうとんでもなく5.15から外れる。これはどうしたものかと悩みました。

この星を何度も観測しているうちに、比較星、C1がどうも少し変光しているように思えてきました。そこで、チェック星C2と比較星との差光度C2-C1を、観測セットごとに平均したら、このようになりました。横軸はJD-2450000。

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変化の幅は0.035等ほどで、なんとなく7日位の周期です。(今この周期やタイプがどうのこうのは考えないことにして、単なる事実だけを問題にします。)

差光度の全体平均mean(C2-C1)を求めました。1.0278等

それぞれのLACOTのデータセットを、(1.0278-その夜の(C2-C1)平均) 分の量、修正してみました。(C2は変光していないと仮定しています。)

例えば、今問題となっている9月27日の第一極小からの増光部分を観測した夜は上のグラフで7番目の点で1.0109。(C1が暗くなっていてその結果C2が明るく測光されている)

1.0278-1.0109=0.0169を薄い緑のデータに加える事になり、グラフは少し下へずれます。

一方、濃い緑のデータセットは9番目の点、1.0364の夜にあたり、同じように考えて、-0.0086加える事になり、グラフは少し上にずれます。

これがその結果。

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同じようなことがmin IIでも起こっていて、これが修正前。

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これが修正後。

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他にもちょっと変わるところがありました。これが修正前。

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これが修正後。

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フェーズ0.7のあたりにある小さな斑点が修正後にはそのすぐ左の大きめの斑点とほぼ並ぶようになりました。それから、第一極小の増光部から平坦部に移行するところが滑らかにつながるようになりました。

フェーズ0.2から0.25のあたりが明るいのはどうもリアルのようです。ひょっとしたら、これがmeinekoさんが書いて下さった表面輝度が一様でないことかもしれない。

まあ、こんな面倒くさいことをやるより、C2を比較星にして測光しなおしたほうが早いかもしれない。。。。