muttenz's blog

スイス星空だより

HV Her という食変光星 

今まで何度も引用しましたが、ドイツのBAVのサイトでヘルクレス座のあまり観測されていない食変光星を表示させるとこのようになります。

左から、星名、最初に観測された極小のHJD、日付、最後に観測された極小のHJD、日付となります。

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下の方のV676HerはPatrick Wilsによって2010年にSuperWASPのデータを使って、タイプEB、周期は30日あまりと決められました。

http://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=15487

ようやくCR Perが一応片付いたので、今度は上のHV Herを調べています。

結論から行くと、この星の周期はVSXにある4.905900dで合っているようなのです。

この星のデータはCSS、SuperWASP、KWSなどあちこちのサーベーで見つけられます。それを使って極小の予報をやって、4月8日夜に第一極小があるはずとわかり、天気にも恵まれ観測できました。前日の7日にも食外光度を決定するために観測しました。下の光度曲線で左のほうが7日の、右が8日の観測です。

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サーベ―のデータや今回の観測データが一致するような周期を探してphase plotにしてみました。(まだゼロ点合わせをやっていないので、上下には合っていません。元期は極小カーブが0.0の軸に対して対称になるように適当に選びました。)

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その結果、図が小さくて分かりにくいかも知れませんが、BAVのデータがどうしてか、0.0の付近からはるかに離れた0.3のあたりに集まってしまいます。この古いデータが0.0のあたりに来るような周期を探してみましたが、そうすると最近のデータが明らかに重ならなくなってしまう。

周期が少しずつ変化したのかとも思ったのですが、ここで選んだ周期はHoffmeisterが決定したものです。それがここ75年の間に一旦変化して、最近はまた元にもどったというような、器用なことが出来るでしょうか?

この位相のズレが一体なんで起こったのか不思議です。謎。。。Ngaさんいかがでしょうか?