muttenz's blog

スイス星空だより

V610 Cyg 続き

AAVSOのメンバーの観測も9月4日頃に収まり、データがこれ以上増えそうもないので、データの処理に当たりました。今までは自分一人のデーターにせいぜい他に一人のデータを扱うだけでした。今回は総勢10人が観測してくれたので、そのような複数のデーターセットを初めて処理しました。やって分かったのは、観測の質に程度の差があるので、信用できそうなものかそうでないか今回だけで判断するのは難しいのですが、ある程度はそれについて考えながらやっていかなければならないということ。

いろいろ試行錯誤の末、ほぼ満足の行くものが得られました。

この1ヶ月に得られたV610 Cygの観測データで作成した位相図です。青い点のデータはAAVSOのメンバーの、緑はMdyさんと私の観測データです。

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1938年から1948年のホフマイスターの極小観測がそれぞれの極小になるように選んだ周期です。すると、APASSのデータがやや極小から外れています。

そのAPASSデータ二つが0.0に載るように周期を選ぶとやや短くなります。

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その場合、当然ホフマイスターの極小データのフェーズははずれます。この変光星の周期がこの70年の間に僅かに変わったのでしょうか?

第一、第二極小のあたりの拡大図です。

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当初、Mdyさんが観測して下さった極小を第一ということにしていたのですが、AAVSOの極小観測データが入り始めたらその方が暗そうということで、第一と第二を入れ替えたのです。でもこうやって見るとほとんど同じ極小光度に見えますね。