muttenz's blog

スイス星空だより

V583 Cyg の続き

前回のV583 Cyg の続きです。

この星の観測記録がAAVSOにないだろうかとたまたま考えて探して見たら3人が観測していました!大部分は食外の観測でしたが、2016年8月3日に観測したデータが食の途中まででした。

今まで予報などに使った要素で、そのデータを位相図に入れたら第二極小への減光と出ました。黒いデータポイント。

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私が観測した光度とずいぶん違うものだ、この分だとだいぶ光度を移動しなければならないかな、などと考えました。

しかし、今まで仮定していた周期の半分だったらどうだろうと思い付き、その位相図を作ってびっくり。第一極小付近のみですが

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見事に繋がります!

このように深い食で皆既食だったら、同じようなカーブが第二極小にも来ることはありえません。これならこの周期が正しいのでしょう。それならばと、AAVSOのデータ全部を入れて位相図を作ってみました。

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他のAAVSOのデータもまんざら無駄ではないようです。

一つ気になるのはちょうどフェーズ0.5にあるデータで、周りの食外光度とほとんど違いがありません。第二極小が受からないのか、どこか少しずれたフェーズにあるのか、一度第二極小を観測してみなければ、なんとも言えませんが、とにかくこれで一歩前進でした!