muttenz's blog

スイス星空だより

昨年VSXに登録したKaiV39のデータを改訂

KaiV39は小熊座にあり赤緯も79度と北極星の近くになります。この変光星は2016年にASASSN-16hbを観測中に発見したのですが、大変に暗い星で、その後観測は昨年までしませんでした。

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2016年7月発見時の画像

しかしせっかく見つけた変光星、うかうかしているとATLASなどが発見登録するかもしれないので昨年さらに2回観測してかろうじて周期、変光範囲など決めてVSXに登録しました。

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昨年5月の2回の観測画像

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昨年5月にVSXに登録した時の位相図

自分としては精度に不満があったので今年良い天気がかなり続いたので観測を続け一応満足いく結果を出せました。

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ほぼ毎夜観測できて第一極小、第二極小がはっきりとわかります

上の位相図の要素だと今年のデータはかなりはずれてしまうので、周期を改善し元期も今年の第一極小観測から得たものを使ってVSXのデータを改訂しました。

下図で黒が2016年の、赤が2019年の、緑が2020年の観測データ。

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今回VSXのデータ改訂に提出した位相図

V等級で17等台と大変に暗いのでCフィルターで観測し、差光度と比較星のRc等級で光度を算出しました。その場合AAVSOの決まりでCR等級の表示となります。
カタログ(ASAS-SN、ATLAS、Gaia)に記載はありません。