muttenz's blog

スイス星空だより

山本さんが発見された YmoV31 をVSXに登録  (2)

YmoV31はへびつかい座にあって天の川のなかで周囲は星だらけです。

ミラ型のように変光範囲が大きいと周囲にある微光星の影響も無視できません。というのは変光星が暗くなった時期のASASSNデータは、周囲の微光星の光を変光星の光と区別できず、変光星の光度として測光することがあるからです。前回VSXに登録した山本さん発見の変光星YmoV30の場合は比較的明るい星が周囲にあってその影響を取り除くのにかなり手間取りました。

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YmoV31の周囲はというと、ありがたいことにVで18.4等より明るい星が周囲にはありません。(正確にいうと変光星から半径17秒より外の星はASASSNデータの測光に影響しません。ただし非常に明るい星はもっと遠くでも影響しますが。)

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YmoV31周辺のDSSの青画像(Aladin)

YmoV31の左の方にある明るめの星まで約32秒角です。

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YmoV31周辺のDSSの赤画像(Aladin)

YmoV31が赤いのが良くわかります。そのすぐ左にほとんど重なっているオレンジ色の暗い星はYmoV31に極めて近いですが、V18.5等なので16等以上のデータにはほとんど影響ありません。

このような微光星のV等級データはUCAC4などでも全く記載がないので、Gaia DR2のデータから算出します。(これについてはいつか別に書きます。)