muttenz's blog

スイス星空だより

KaiV110の続き

KaiV110は前回の投稿記事に書いたEAらしい新変光星ですが、その後観測を続けていたらなんと9日後の9月18日にまた極小が受かりました。その間、ほぼ毎日観測できて、下はそのライトカーブです。緑がKaiV110、青はチェック星。

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一番左が初めて極小が受かった晩で、右から2番めが極小が2回めに受かった晩です。青はチェック星の光度から比較星の光度を引いた値をグラフに入るようにずらしたものです。

緑のKaiV110とチェック星がほぼ並行して変動していますね。これは比較星が変動していることを意味します。この比較星をVizieRで調べてみたらすでにASASSNで変光星として見つかっており、タイプはSR、周期は302日!となっていました。302日はちょっと長すぎると思うのですが。。。一方ATLASも同じ星を変光星として見つけていましたが、こちらの方はdubious、周期は2日となっています。とにかく調査することにしてKaiV111としました。

KaiV111はB-Vが1.75と大変に赤い星でGaiaデータによって絶対光度を算出するとほぼ0等の星です。今期、KaiV67の観測は全部クリアフィルターで行ったので、比較星が赤いと、星の高度が下がるにつれて、さほど赤くない星は相対的にどんどん暗く測光されてしまいます。それなので、上のライトカーブの図ではどのデータも右肩下がりになっています。今日の午後中かけて6月から今までの34晩の観測フレームでこの星を測光しました。結果はまだまとめていません。

KaiV110の方も測光しましたら、いくつか極小付近が受かっていました。これについてはまた。