muttenz's blog

スイス星空だより

2018-01-01から1年間の記事一覧

たて座デルタ型 DSCT の変光星を12月に入って6つVSXに登録

今月に入って集中的に今まで見つけたDSCT型の変光星を周期解析してVSXに登録しました。 KaiV86,80,81,56,62,61の6つです。位相図はどれも似たような感じで並べてもあまりおもしろくないと思います。Gaiaのおかげで星までの距離がわかるので星間減光がないも…

2年前に見つけた新変光星、KaiV54 をVSXに登録

2年前にカシオペア座に現れた矮新星ASASSN-16msを観測中にKaiV54を見つけました。17等台で相当に暗く、UCAC4カタログには記載されていません。 muttenz.hatenablog.com 上が当時のブログの記事です。 以来、シーズンの度にちょっと観測してみますが、なかな…

同好会誌 Orion の続きです

先日書いたOrionには日本のハヤブサ2についての記事がかなり詳しく出ています。 1ページ Wandfalkeというのはハヤブサの訳ですね。竜宮がUnterwasserpalastと訳されていますが、Unterwasserは水中、Palastは宮殿で、水中宮殿という感じです。 2ページ 写…

スイス天文協会同好会の会誌 ORION

スイスにはアマチュア天文家の集まりがあり、SAG (Schwizerische Astronomische Gesellschaft) といいます。一度ブログでその集まりのことを書いたことがあります。 muttenz.hatenablog.com その同好会で年に6回、隔月でOrionという名の会誌を出しています…

昨年発見した新変光星、KaiV74の周期を見つけた

muttenz.hatenablog.com この続きです。 KaiV74はUCAC4のカタログに記載されていない、かなり暗い星です。なのでASAS-SN Variable Stars Databaseにもいろいろなカタログを見ましたがどこにも変光星として記載されていません。 データがずいぶんたまったので…

もう一つDSCTタイプの新変光星をVSXに登録

今回のはKaiV81で、楕円軌道を持つV426 Lyrの観測中に発見しました。 9月9日の発見画像です。 周期がかなり短いのは一見してわかりますね。45分です。 これが作成した位相図。 昨日の2つより極大付近が尖った印象の上、Gaiaのデータによると4144パーセク…

ふたつのDSCTタイプの新変光星をVSXに登録

今年後半に発見したDSCTタイプの新変光星を無事VSXに登録出来ました。 一つはKaiV86で、このところブログに書いていたKaiV87と同じようにV583 Cygを観測していて気が付きました。発見した日のライトカーブです。 DSCTを見つけても、それが比較星の変動ではな…

KaiV87 の第二極小を観測した?

昨日の続きですが、書いたように第二極小を観測することが大事と思っていたら、幸運にも一週間後の11月29日にチャンスが来ました。今までの食要素での予報は22.74UTです。天気がまた不安定で雲が時々やって来ました。 その晩のライトカーブです。 雲が来…

11月22日、KaiV87の第一極小が受かった

昨日書いたように、一応この新変光星の元期と周期が推定出来たのでその要素で予報を計算して見ました。 それによると11月22日18.696UTに第一極小がまたあることになりました。11月に入ってから天気が悪くあまり期待は出来なかったのですが、運が良いことにそ…

久しぶりにEAタイプの新変光星を発見 続き

先日書いたように倉敷の大島さんがV583 Cygを何度も観測してくださっているので、大島さんに今まで観測されたフレームにこの新変光星KaiV87が写っていないかお尋ねしましたが、残念ながら写野の外で、データはないとのことでした。 そこで回数は少ないですが…

久しぶりにEAタイプの新変光星を発見

今年の11月はあまり天気に恵まれず観測回数は少なかったです。それだけに新変光星発見は嬉しかったです。 V583 Cygのデータ改訂のために9月頃から観測を開始して無事先日改訂出来ました。 この改訂のために倉敷の大島さんが頑張ってVとRcの観測をしてくださ…

海王星の発見

2日前に海王星を発見した望遠鏡のことを書きましたが、その中で発見者ガレのことをベルリン天文台長と書きましたが間違いで、当時はエンケが台長でした。訂正いたします。ガレは彼のもとで16年働いて、1851年にブレスラウに移ってからそこの天文台長になっ…

海王星を発見した望遠鏡

ブログ、長いことお休みしてしまい申し訳ございません。 この11月、一年前のように娘のコンサートを聴きにミュンヘンに行きました。そして、またドイツ博物館へ。なつかしいです。 2回めなので天文部門はかなり端折って、おもに他の部門を見学しましたが…

ようやくV343 Lac のデータ改訂をVSXに登録できた

この食変光星は2016年冬から観測し始めて3シーズン目になります。この8月に第二極小を観測しようとしてドジをして半かけの極小観測になってしまいました。 muttenz.hatenablog.com この食変光星の周期は一応VSXやGCVSには載っていて6.471914日となって…

V464 Cas の極小を再び観測中

muttenz.hatenablog.com 昨年12月にこの周期未知だった食変光星の食を観測してVSXにデータの改訂を申請して受理されました。10ヶ月ぶりに極小を観測して、周期の精度を上げられるかもしれません。 只今極小を過ぎたところです。 昨年発見したKaiV77も健…

周期未知の食変光星 V432 Lyr のデータ改訂をVSXに申請して受理されました

muttenz.hatenablog.com この続きです。 この夏以来、スイスや日本で極小を観測することができて、位相図がはっきりしたので、この変光星を発見したKurochkinのデータ、ASAS-SNのデータなどを組み合わせて周期を細かく決めました。VSXに送った位相図です。元…

今日から冬時間、そしてひょっとしたら最後の冬時間

今日からヨーロッパ全体で夏時間から冬時間に切り替わり、今朝の3時に時計を一時間前に戻して、2時にしました。 これで、来年3月末までは冬時間(正式にはヨーロッパ中央標準時という)が使われます。これはUTより1時間進んでいます。 今年この夏冬の2…

周期未知の食変光星 V577 Cas の第二極小への減光を観測

この変光星の周期を昨秋、ASAS-SNのデータから見つけました。 muttenz.hatenablog.com 以来、今まで観測できずに来てしまいました。昨晩、10月25日夜21.5367時UTに第二極小があると算出されたので、観測を試みましたが、途中で曇られました。 減光がはっきり…

KaiV76 - V578 Cas のそばの新変光星

昨年11月22日にV578 Casを観測したときに新変光星を発見し、KaiV76と番号を振りましたが、VSXにはまだ登録していません。 先日の観測でもきれいなDSCTタイプの変動を見せてくれました。 下は昨年11月22日の変動。 で、周期は0.092日ぐらいです。

周期未知の食変光星 V578 Cas の第一極小を観測

muttenz.hatenablog.com これの続きです。 昨年判明したこの食変光星の周期はほぼ一日なので、なかなか観測の好機が訪れませんでした。昨晩真夜中に第一極小のはずなので日没後すぐに準備、観測開始。そうしたら、雲が続々とやってきてしまいました。衛星画…

V426 Lyr の第一極小を観測できた

幸運なことに昨晩は朝まで霧が出ることなく快晴で、V426 Lyrを沈むまで観測できました。(その後、EG Cncを見ましたが、まだ暗いままです。) もちろん、高度が低くなって観測の終わりの方はスキャッターがどんどん増えますが、一応極小が受かりました。 加…

楕円軌道を持つ V426 Lyrの第一極小を観測中

周期未知だったこの変光星の周期をASAS-SNのデータから見つけたら、楕円軌道らしいとわかりました。 muttenz.hatenablog.com 以来第二極小に関しては二回食を観測できました。しかし天候や時間の関係で第一極小は一切食を観測できませんでした。ようやく今、…

V583 Cyg のデータ改訂をVSXに登録、受理されました

再び V583 Cyg の第二極小付近を観測 - muttenz's blog の続きです。 これで第二極小らしきものを観測できたので、もう数日前のことですが、周期やら元期、変光範囲などのデータをVSXに改訂、登録し、しばらくして受理のメールが来ました。 VSXのサイトです…

今朝のEG Cnc

今朝は、望遠鏡を向けて5秒のフォーカスモードで見て、一瞬他の場所が写っているのかと思ってしまった。それほど、暗くなっています。ここ6日間の変動です。 一日あたりで暗くなる幅が次第に大きくなっている様子がわかります。(13日朝から今朝、18日…

EG Cnc どんどん暗くなっています

今朝の観測データです。 ここ3日間の変動です。 どんどん暗くなっています。でもこれから何度も再増光が期待されているそうです。

話題の EG Cnc を観測

vsolj-newsも出て、20年ぶりにアウトバーストして今話題になっているEG Cncを13日朝記念撮影的に観測しました。観測時間が短いのでハンプもわかりません。 14日朝は少し早く観測開始したのでハンプが2回受かっていました たった二つのハンプですが、周期も一…

再び V583 Cyg の第二極小付近を観測

昨晩、10月12日夜には第二極小がちょうど真夜中にあるはずで、天気もよく一晩中観測できました。第一極小のような派手さはなく、食があったのかなかったのかもほとんど、ちょっと見ただけではわかりません。一晩中ほとんど光度に変化はありませんでした…

スイスでもV432 Lyrの第一極小を観測できました

昨晩、10月10日夜19.9UTに第一極小があるはずでした。天気に恵まれ、朝方霧が出るまで、第一極小をかなり長くほぼ対称に観測できました。 日本での、水谷さん、赤澤さん、大倉さんの観測から得られた元期と周期で今回のデータから位相図を作りました。こ…

周期未知の食変光星V371 Cas を観測してみた

ほぼ1年前にカシオペア座の周期未知の食変光星の周期をASAS-SNのデータを使っていくつも探しました。その一つがこのV371 Casです。 muttenz.hatenablog.com この時に見つけた要素で予報を出したら、昨晩、10月8日19.3625UTに第一極小があるはずでした。 …

V583 Cyg の第二極小への減光を観測できたかもしれない?

周期未知の食変光星 V583 Cyg を再び観測 - muttenz's blog 前回のブログの続きです。 今朝、26.6時UT=夏時間の4時半ごろに第二極小があったはずで、昨夜は21時過ぎに観測開始。雲が頻繁に通過する悪条件で、最後には霧が発生して食の中心には程遠いところで…