muttenz's blog

スイス星空だより

ASAS-SNデータでカシオペア座の周期不明の食変光星の周期を探そう V464 Cas

こちらの作業も時々前に進めてみようかと、次の番号です。

今回も順調に周期が見つかりました。ほとんど周期の修正無しでVSXの元期がフェーズ0.0に来ます。

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VSXの元期はこの位相図だと第二極小のようですね。

Flare星 KaiV75をVSXに登録

先月19日夜、V343 Lacの観測中に発見したフレアー星、KaiV75をVSXに正式に登録しました。

ある星のフレアーの最中にその星をたまたま撮像しているというのはかなり確率の低いことで、大変に幸運でした。その夕方は天気が悪く観測を諦めていたのですが、寝る前に外を見たら晴れていて、大急ぎで観測開始したのが良かったようです。もちろんこのタイプ「UV Cetタイプ」を発見したのは初めてです。

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16.4等の暗い星が約1.4等明るくなって15等まで達しました。1.4等の増光は光量で言うと3.6倍というのですからすごいものです。上の点と点の間隔は63秒ですので、約2分あまりで一気に明るくなったようで、約10分程度でまた平常光度あたりに戻っています。

以前書いたかもしれませんが、この星の固有運動はかなり大きく、3年でほぼ1秒角移動します。ということはかなり近くの星なのでしょうか。それでもこんなに暗い星なのでしょう、セバスチャンがred dwarfと書いてきました。

二つのたて座デルタ型の新変光星 KaiV61とKaiV62 続き

昨日はこの二つのたて座デルタ型星の多重周期が異なると書きました。

先日KaiV61の幾つかの周波数に対応したdetrendした位相図はブログに載せました。

KaiV61 昨年12月に見つけたDSCT型の新変光星 続きの続きです - muttenz's blog

今日はKaiV62の方の位相図を載せます。

F1のdetrendした位相図です。

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F2のdetrendした位相図です。

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このての位相図は周波数と振幅が異なるだけで、見かけ上ほとんど同じようで、あまり面白くはないですね。

F4のかなり長い周期のが面白いです。どんなものが出るのか自分でもちょっと想像できませんでした。

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こんな長い周期の変動が受かるとは思わなかったです。ここでは周期を25日あまりにしてありますが、この変動が二つの連星によるのだとこの2倍、50日の周期となります!(PDM解析を20日30日の範囲でしても、たしかに25日あまりにピークが出ます。)

二つのたて座デルタ型の新変光星 KaiV61とKaiV62

以前、11月4日、5日、9日とKaiV61についてブログに報告いたしました。

muttenz.hatenablog.com

この時見つかった多重周期で少し変な変動がありました。その位相図をもう一度載せます。

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周期がほぼ半日で位相図のカーブも何かおかしい感じなので、この星自体がこのように変光しているのではなく、比較星が変光しているとか、色の違いからではないかとか言う疑いがありました。

この星の近くに発見したもう一つのたて座デルタ型の新変光星、KaiV62があります。

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両星の比較星は同じものを使っており、比較星が変光しているのであれば両方共同じ周波数の変動を示すはずです。

結果的には両星の多重周期は全く異なることが判明しました。

細かい数字の資料ですみませんが

KaiV61のフーリエ解析

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KaiV62のフーリエ解析。

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KaiV61の半日の周期(周波数2.0)はKaiV62では全く出てきません。というわけで、KaiV61の半日の周期はやはりリアルであるとしか考えられません。

 

ASAS-SNデータでカシオペア座の周期不明の食変光星の周期を探そう V462 Cas

昨夕また家に戻ってきました。世界一長いゴットハルトのトンネルを通り抜けたら土砂降りの世界でした。アルプスの南と北でこんなに天気が違うものかと思い知らされました。

さあ、また飽きもせずにカシオペア座の食変光星の周期です。今日はV462 Cas。

例のごとくASAS-SN Sky Patrolのサイトからデータをダウンロード。PDMで周期を探したら今回は無事に見つかったようです。

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VSX記載の元期で第一極小がフェーズ0.0にほぼ乗るように、PDMで出てきた周期を 少し変えました。

1968年来ほって置かれた食変光星の周期が15分足らずであっさりと見つかるのですから、ASAS-SNのデータはすごいです。

今日も素晴らしい天気!

雪を頂いた山と紅葉のコントラストが綺麗です!

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40年前に家内と休暇を過ごした家を探し当てました。

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下の写真は40年前です。若かった。。。。。時の経過が家の扉にも、私にも見られます。。。

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