昨晩の観測データを整約
昨日ブログに書いたように24日夜はHZ Gemと新変光星KaiV92 93を観測しました。
HZ Gemです。
この新しいデータと今までの2回の観測データと組んでみたら当初出した周期0.3616が間違っていることがわかりました。やはり結論を出すにはデータを十分に揃えることが大事です。新しい要素で作った位相図。
今までのデータと、さらにASAS-SN Sky Patrolのデータを組んで作成した位相図。
今夜も、HZ Gem 付近を観測中
まだ画像の処理はしておらず、観測中ですが未処理の画像でのライトカーブです。
21日に見つかった新変光星を再観測
22日夜、HZ Gemを観測し新変光星、KaiV92と93も観測しました。
HZ Gemは暗くなる前にまた第一極小がある計算でした。
KaiV92の方も無事にデータが得られました。
リーズナブルな周期を求めて位相図を作りました。
たった2回の観測でほぼ全位相が撮れました。
KaiV93の方は新変光星と書きましたが、増光部分のライトカーブがわりとスキャッターがすくなく、細いのが、ホットピクセルのせいではないかと気になります。昨日の日中、画像を一つずつ問題の星像を詳しくピクセルごとに明るさをチェックしましたが、ホットピクセルではないと結論付けることができました。
ただ、これではなんだかどんなタイプなのかわかりません。ASAS-SN Sky Patrolのデータをダウンロードしました。ただし、この星はASAS-SN Variable Stars Databaseには変光星として記載はされていないので、周期解析をしてもなにも見つからない可能性が大です。
PDMで周期解析をしてみました。なんと。。。
周期が見つかったのです。どうしてASAS-SNでは見つからなかったのかなぁ。
第二極大付近で急に減光しているのが気になります。ただ、ASAS-SNデータでもそれらしいデータもあるので、これからの観測ではっきりさせたいものです。
食変光星 HZ Gem を観測 2つ新変光星を発見
HZ Gem について先日書きました。
周期の間違いを実証すべく、予報では昨晩は第一極小があるはずなので観測しました。ただ、その後TCPJ06373299-0935420の発見ニュースに気がついて、そちらに行ってみました。その間にHZ Gemの観測データをチェックして見たら2つ新変光星が見つかったので、TCPJ06373299-0935420の観測は1時間で切り上げてHZ Gemの観測を継続しました。
見つかった新変光星、KaiV92 93
KaiV93 は観測開始時には写野の外でした。
2つの星をVSX,ASAS-SN VSDB, WISE, SDSS, NSVS, LONEOS, PULS, LINEAR,Cze, PTFSのカタログ全部でチェックしましたが、記載されていません。
KaiV93 は15等ぐらいなのでもうどこかで発見されているだろうと思いましたので、未発見は意外です。
変わったライトカーブを示す食変光星GSC 03807-00759
昨日、VSOLJに鈴木さんが観測報告されていた星で、複雑なライトカーブでどれを主極小としたら良いのかわからないと書いておられました。
鈴木さんの観測のライトカーブを作って驚きました。
昨晩、2月20日夜は薄雲があって微光星の観測は無理と判断して、この明るい面白そうな変光星を観測してみました。
昨晩のVフィルターのライトカーブです。
なんとも変な歪んだライトカーブが面白いですね。ただ変光範囲は0.2等程度(Vバンドで)で比較的狭い範囲です。
VSXの記載ページです。
https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=206355
タイプはEW+EAとなっています。
食変光星V664 Oriを11ヶ月ぶりに観測
この食変光星もHoffmeisterによって1942年に発見され、1967年のANで発表されています。ただ周期はずっと最近までわからないままでした。
昨年3月にこの食変光星を倉敷の赤澤さんと私で観測して、ASAS-SNのデータから得られた周期を改善しVSXにデータの改訂をすることができました。
昨晩、2月19日夜に第一極小があるので11ヶ月ぶりに観測ましたが、残念ながら、極小前に曇られてしまいました。
VSXに登録した要素で昨年のデータと合わせて第一極小付近の位相図を作りました。
去年と今年のカーブとが完全には重なりません。。。これが重なるように周期を変えるとASAS-SNデータの位相図がめちゃくちゃになってしまいます。光度が変化したのかもしれませんが、極小が受かっていないので、なんとも原因を特定できません。
食変光星HZ Gemでちょっと不思議なこと
これの続きです。
この変光星は1964年にHoffmeisterが新変光星としてAN (Astronomische Nachrichten) にS7945 Gemとして報告しました。
下の方の注16を見ると「極小はかなり珍しく、少々難しい」とあります。先日の記事に書いたようにこの変光星はEBで周期は0.8240236日で、特に長い周期でもなく、数日に一回は極小が起こるはずなのです。第一極小と第二極小両方を極小とすると、ほとんど毎日どちらかの極小が観測できる状況です。変光星発見のベテランの彼がどうしてこのような注を書いたのか理解ができません。そうしてとうとうつい最近まで周期が決まっていませんでした。