muttenz's blog

スイス星空だより

新変光星はEA?

ASAS-SN Variable Stars DataBaseに行ってみましたが、記載はありません。

しかし、データのダウンロードをしようとしたら、この位置の星の測光データはもうありますが、測光し直しますか?と出てきたので、悪いけどもう一度測光し直してもらいました。やってもらってよかったです!

そのデータをあまり期待しないで周期1日から10日の範囲でPDMにかけました。

出てきた周期は2日あまり。あ、これは概日リズムが出てきたとこれもあまり期待しないで位相図を作ってもう、あっと驚きました。こういうときの気分は最高です!

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これはEAですね!ただこの周期の2倍もかなり可能性があります。特に第二極小にあたるあたりに減光が全く見られませんし。

周期を2倍にした位相図です。

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元期を少しずらしてそれぞれの極小が0.0や0.5に乗るようにしました。

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この元期と2つの周期で発見時の増光と一定の観測をASAS-SNデータと重ねてみました。

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観測データがうまく位相図に乗りますね。これなら周期はまずどちらかでしょう。

久しぶりに良い天気で観測 新変光星!

12月に入って2日、3日と夜晴れました!

カシオペア座の食変光星を2017年18年と観測して未だに第二極小が受かっていないのがありそれを観測したら受かりました!

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2日の夜は一度雲が来てしまい朝方には別の星を写していました。

2日の夜のフレームを見ていたらどうも増光している星があります。

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変光幅はわずか0.1等ほどですがはっきりしています。比較星を色々と変えても同じ傾向が見られます。

3日の夜も期待していたら、今度はほとんど無変光!

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同じような状況でこのように違うのですから、変光星はたしかで、KaiV104と番号をふりました。

VSXを見ました。記載はありません。

VizieRを見たらATLASに記載はありますがdubiousとなっていて、新変光星として登録できるチャンスです。

gamma Per をUGEMで 続き

スイスの天気はここ1ヶ月ぐらい本当にひどいです。きれいに一晩中晴れたことは一回ぐらいで、gamma PerをCanon 55mm + UGEMで観測できたのは晴れ間を狙ってようやく5回出来ただけです。

そういう状況だったので得られたフレームはひょっとしたらかなり不均一かもしれないし、スキャッターも多そうです。

それでもなんとか精度を上げて測光出来ないかとUGEMらしからぬ方法を思いつきました。

varlistにgamma Perとtau Perだけを入れて測光をします。varlistに2つの星しか入っていないと測光が大変に速く出来ます。

tau Perは今年は変光がないというので、それぞれのフレームでのgamma Perとtau Perの光度をUGEMに出させ、その差を出します。

続けて撮った5-10枚のフレームでその光度差を平均しました。

やり方としては通常のアパーチャと比較星を使った測光方法に近いことをやるわけです。

この方法(methode 1, blue, tau Per = 3.96V) と通常のUGEMで得られた測光値(methode 2, red)でライトカーブを書いてみました。

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第一の方法、青の方がある程度安定しているようで、通常のUGEMの測光値はばらつきが多くなりました。

まるで減光と増光が受かっているように見えますが、残念ながらリアルではなさそうです。共に傾斜が強すぎます。

とにかく差光度による測光もUGEMで可能だし今回のように明るい星の場合良さそうでした。

なお、測光設定で測光区分をアパーチャ自動と手動(恒星径0.8)をやってみましたが、自動の方がほんの僅かですが良さそうで、上記のデータは自動アパーチャでした。(以前5月頃に比較した時も自動アパーチャが良かったです。)

それから上記のように各フレームで光度差を出して平均した値と、UGEMが出してくれるgamma Perと tau Perの平均光度の差と比較しましたがほとんど同じでした。(フレームによってはどちらかの星が測光されないことがあるので数学的にはおなじになるとは限りません)

参考までに測光値です。

methode 1

3.96-mean(magTau-magGamma)
PERgam 20191113285333 2.95cG Kai
PERgam 20191116253346 2.96cG Kai
PERgam 20191116263648 2.96cG Kai
PERgam 20191116273737 3.06cG Kai
PERgam 20191118255735 3.24cG Kai
PERgam 20191122250913 3.24cG Kai
PERgam 20191126245307 3.00cG Kai
PERgam 20191126251842 2.95cG Kai

methode 2

UGEM meanmag. 
PERgam 20191113285333 3.01cG Kai
PERgam 20191116253346 3.00cG Kai
PERgam 20191116263648 2.95cG Kai
PERgam 20191116273737 3.00cG Kai
PERgam 20191118255735 3.25cG Kai
PERgam 20191122250913 3.34cG Kai
PERgam 20191126245307 2.99cG Kai
PERgam 20191126251842 2.92cG Kai

付記

最初にアップロードしたデータとライトカーブにミスがあったので訂正しました。

基本的にはほとんど変わりません。

 

 

 

AAVSOでのGamma Perのライトカーブ

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緑はV、青はB、水色はUフィルターでの観測です。

緑、青のデータポイントで平坦部の最後のデータポイントは16日19時53分UTです。

皆既に入ったと見られる最初のデータポイントは18日02時02時34分UTです。

gamma Per の食の開始が受かったかも?

gamma Perの食が開始したことが確実になりました。

実はひょっとしたらそれがCanon 55mm +  UGEMで受かったかもしれないのです。

ただ、あまり自信がなかったので公表は控えていました。

 

水谷さんの観測データをVSOLJからダウンロードし、私のと一緒にプロットしてみました。

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水谷さんの右下の方の減光の傾きを左上に伸ばすとちょうど赤の減光開始付近にぶつかります。

こう見ると、減光の度合い、0.06等/時は強すぎます。

ただ、開始がその時で矛盾はなさそうです。

セバスチャンが書いていた予報では (https://www.aavso.org/gamma-persei-eclipse-2019

Eclipse start: 16 Nov 2019 19:22 UT
Mideclipse: 21 Nov 2019 20:52 UT
End of the eclipse: 26 Nov 2019 22:23 UT

となっています。

私の最初の赤点はUT16.5時です。2番めの赤点は約1時間後の17.5時です。残念ながら3回目の観測後曇ってしまいました。

UGEMでの測光は色々のパラメータを変えると値も変わるのでまだもう少し検証がひつようと思われますが、とりあえず報告です。

Gamma Perが暗くなっている?

今朝、AAVSOのサイトでGamma Perの最新データのライトカーブを見ると、ひょっとしたらGamma Perが暗くなり始めたかもしれません。

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Uバンド、Bバンドの変化が大きく、Vはよくわかりません。

Gamma PerをUGEMで

あちこちでGamma Perの観測が聞かれますので、私もやってみたくなり、Canon 55mm とUGEMで試みました。手動固定アパーチャが良さそうでした。

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上の行の左から二番目がGamma Per。

結果は

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7つのフレームの平均で、標準偏差は0.043でした。