食変光星 V432 Lyr
先日、この食変光星の増光を観測できたとブログに書きました。
この食変光星に行き当たったのは周期未知の食変光星のリストで、一昨年二度観測しました。
2016.06.16.
2016.06.21.
見事に無変光で、取り付く島もないので当時はあきらめました。
昨年来ASAS-SN Sky Patrolのデータを利用できるようになって、状況が変わります。
数日前にこの食変光星のことを思い出してASAS-SNデータをダウンロードしてPDM解析をしたらこんな位相図ができました。元期は一番暗いデータポイントを使っています。
この要素を使って予報を出したら8月20日夜に食があると出たので、急遽観測し、増光を捉えられたわけです。
この唯一の食の観測データを、ASAS-SNデータ、BAVで見つけたKuchorkinの二つの極小観測などと組んで周期を探してみました。まず12日あまりの周期の半分の6.37807日の可能性があります。(元期は20日の観測のほぼ開始時を使いました。そうすると周期を変化して位相図を作っても20日の観測はいつもフェーズ0.0付近にとどまります。そこで周期を変えてみてKuchorkinの極小がフェーズ0.0に来るような周期を探しました。)
この周期だと第二極小付近に何も減光が見当たりません。それに第一極小付近を拡大してみるとASAS-SNデータと全部は合わないようです。
そこで6.37807日の2倍の周期で位相図を作りますと。
この場合の第一極小付近はこうなってなかなか良い感じです。
第二極小付近はまだ観測していませんが、ASAS-SNデータではやや浅い食のように見えます。
この要素で9月の予報を出してみました。n = 0.5は日本でもスイスでも観測不能です。
date UT n
2 13.3474 1
8 22.421 1.5
15 7.4947 2
21 16.5684 2.5
28 1.6421 3