muttenz's blog

スイス星空だより

もう一つDSCTタイプの新変光星をVSXに登録 KaiV106

今月16日にMisV1398を観測してデータを処理していたらDeltaScutiタイプらしい変光星を見つけました。

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KaiV106の発見

それ以後天気が良い夜があまりないので観測できませんでしたが、幸い2018年12月、2019年12月の観測があったのでそのフレームからKaiV106のデータを集めて周期をかなり詳しく決定できました。その要素を使った位相図です。

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変光幅はわずか0.02等で、さすがにこれはATLASも検出していませんでした。

昨日VSXに登録申請したらすぐにOKが来ました。78個目でした。

https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=1540539

1月16日のMisV1398は第二極小があり、そのライトカーブ(位相図)です。

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緑色が1月16日のデータ。黒は以前の観測データ。

 

V371 Casを観測 位相図の謎?

新年に入ってからわりと天気が良く、昨晩(5日夜)も一晩中晴れていました。

2年前に一度観測してずっと休んでいた星、V371 Casの極小があり、それを観測できました。

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一番暗いときは17等台になりました!

 

今までの観測(たった2回)とAPASSやASAS-SNなどと組んで以前に位相図を作成しました。周期と元期はGCVSにありました。

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これだと位相0.5になんの変化もなさそうです。

そこで2倍周期でASAS-SNデータの位相図を作成してみました。(元期が上のとはちょっと違っていますが)

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なんとなく極小の深さが違うように見えます。ひょっとしたら周期はGCVSの2倍かもしれません。その要素で予報を出していたら昨晩に第二極小があるはずでした。

はたして、第二極小の方が第一極小より浅いとの観測結果が出ました。

位相図です。

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ただ、この結果に頭を悩ましています。

図としてはEAで良くある形なのですが、その食の深さが深すぎるように思われます。

第一極小は約2等級の深さ、第二極小は1.5等級の深さです。

こういうことはあり得るのでしょうか?それぞれの極小値がそれぞれ伴星、主星の明るさだとすると合成等級は16.8等ぐらいにしかならないのです。それとも周期は二倍ではなく、暗い方の星が変光しているのでしょうか?

どなたか、この謎を解くアイデアを教えて下さいませんか?

大晦日の観測から新変光星!

あけましておめでとうございます!本年もよろしくお願いいたします。

このところブログ更新が少なくて申し訳ございません。観測できる夜が極めて少ないのです。

大晦日の昨晩も、暗くなったばかりは素晴らしく晴れていたのですが、スイスの冬によくあるように9時過ぎあたりから透明度が落ち始め10時頃にはベタぐもりになってしまいました。

それでも得られた観測フレームをチェックしていて一つ変光星らしいのを見つけました。

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これはどうもDSCTのようです。VizieRでその星をチェックしたらATLASの記載があります!しかしdubiousの分類!

自分の観測記録を見るとこのV431 Casを2回2018年と2019年に観測しています。その観測フレームと合わせてデータを取り、PDMにかけたら周期は0.0901151日と出ました。昨晩の極大を元期として位相図を作りました。

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これで、変光星は確実です。ATLASに記載されていた周期は0.180230で、PDMで見つけた周期のちょうど2倍でした!(2倍は0.1802302)

ATLASの解析も素晴らしいです!(外れていることも多いのですが。。)

昨晩の観測は3時間にも満たないものでしたが、一本釣りで大魚を見つけた感じです。

ATLASの分類がdubiousなので新変光星発見にできるでしょう。

新変光星はEA?

ASAS-SN Variable Stars DataBaseに行ってみましたが、記載はありません。

しかし、データのダウンロードをしようとしたら、この位置の星の測光データはもうありますが、測光し直しますか?と出てきたので、悪いけどもう一度測光し直してもらいました。やってもらってよかったです!

そのデータをあまり期待しないで周期1日から10日の範囲でPDMにかけました。

出てきた周期は2日あまり。あ、これは概日リズムが出てきたとこれもあまり期待しないで位相図を作ってもう、あっと驚きました。こういうときの気分は最高です!

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これはEAですね!ただこの周期の2倍もかなり可能性があります。特に第二極小にあたるあたりに減光が全く見られませんし。

周期を2倍にした位相図です。

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元期を少しずらしてそれぞれの極小が0.0や0.5に乗るようにしました。

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この元期と2つの周期で発見時の増光と一定の観測をASAS-SNデータと重ねてみました。

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観測データがうまく位相図に乗りますね。これなら周期はまずどちらかでしょう。

久しぶりに良い天気で観測 新変光星!

12月に入って2日、3日と夜晴れました!

カシオペア座の食変光星を2017年18年と観測して未だに第二極小が受かっていないのがありそれを観測したら受かりました!

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2日の夜は一度雲が来てしまい朝方には別の星を写していました。

2日の夜のフレームを見ていたらどうも増光している星があります。

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変光幅はわずか0.1等ほどですがはっきりしています。比較星を色々と変えても同じ傾向が見られます。

3日の夜も期待していたら、今度はほとんど無変光!

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同じような状況でこのように違うのですから、変光星はたしかで、KaiV104と番号をふりました。

VSXを見ました。記載はありません。

VizieRを見たらATLASに記載はありますがdubiousとなっていて、新変光星として登録できるチャンスです。

gamma Per をUGEMで 続き

スイスの天気はここ1ヶ月ぐらい本当にひどいです。きれいに一晩中晴れたことは一回ぐらいで、gamma PerをCanon 55mm + UGEMで観測できたのは晴れ間を狙ってようやく5回出来ただけです。

そういう状況だったので得られたフレームはひょっとしたらかなり不均一かもしれないし、スキャッターも多そうです。

それでもなんとか精度を上げて測光出来ないかとUGEMらしからぬ方法を思いつきました。

varlistにgamma Perとtau Perだけを入れて測光をします。varlistに2つの星しか入っていないと測光が大変に速く出来ます。

tau Perは今年は変光がないというので、それぞれのフレームでのgamma Perとtau Perの光度をUGEMに出させ、その差を出します。

続けて撮った5-10枚のフレームでその光度差を平均しました。

やり方としては通常のアパーチャと比較星を使った測光方法に近いことをやるわけです。

この方法(methode 1, blue, tau Per = 3.96V) と通常のUGEMで得られた測光値(methode 2, red)でライトカーブを書いてみました。

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第一の方法、青の方がある程度安定しているようで、通常のUGEMの測光値はばらつきが多くなりました。

まるで減光と増光が受かっているように見えますが、残念ながらリアルではなさそうです。共に傾斜が強すぎます。

とにかく差光度による測光もUGEMで可能だし今回のように明るい星の場合良さそうでした。

なお、測光設定で測光区分をアパーチャ自動と手動(恒星径0.8)をやってみましたが、自動の方がほんの僅かですが良さそうで、上記のデータは自動アパーチャでした。(以前5月頃に比較した時も自動アパーチャが良かったです。)

それから上記のように各フレームで光度差を出して平均した値と、UGEMが出してくれるgamma Perと tau Perの平均光度の差と比較しましたがほとんど同じでした。(フレームによってはどちらかの星が測光されないことがあるので数学的にはおなじになるとは限りません)

参考までに測光値です。

methode 1

3.96-mean(magTau-magGamma)
PERgam 20191113285333 2.95cG Kai
PERgam 20191116253346 2.96cG Kai
PERgam 20191116263648 2.96cG Kai
PERgam 20191116273737 3.06cG Kai
PERgam 20191118255735 3.24cG Kai
PERgam 20191122250913 3.24cG Kai
PERgam 20191126245307 3.00cG Kai
PERgam 20191126251842 2.95cG Kai

methode 2

UGEM meanmag. 
PERgam 20191113285333 3.01cG Kai
PERgam 20191116253346 3.00cG Kai
PERgam 20191116263648 2.95cG Kai
PERgam 20191116273737 3.00cG Kai
PERgam 20191118255735 3.25cG Kai
PERgam 20191122250913 3.34cG Kai
PERgam 20191126245307 2.99cG Kai
PERgam 20191126251842 2.92cG Kai

付記

最初にアップロードしたデータとライトカーブにミスがあったので訂正しました。

基本的にはほとんど変わりません。