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muttenz's blog

スイス星空だより

ASAS113804-0026.5の多重周期がようやく見つかった!の続きです

今年はこの星を3月27日から昨晩までで14回観測しました。

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青が昨晩のデータです。全変動範囲が0.1等余りというかなりみみっちい変動なので良い精度のデータを得るのが難しいです。前回書いたようにDSCTの多重周期は二つ見つかってそれはほぼ確定しましたが、上記のグラフで見えるような長期の変動の周期がなかなか確定しないのです。緑と青のデータが得られる前のフーリエ解析では6日あまりの周期が強かったのですが、緑と青のデータが入ったら3.5日ぐらいの周期の方がピークが高くなりました。

以前ブログで書いたことがあるのですが、この星のASAS-3のデータでは周期3.48日ぐらいの周期で位相図を作るとそれらしいものが出来るのです。赤がASASデータ。

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ところが、今年の観測データのフーリエ解析では最初は6日の周期が強く、どうしたらよいかわからなかったのですが、ここ2日で3.5日の周期の方が強く出るようになり、ひとまずホッとしています。ほぼ3.5日の周期だと同じ位相を観測できるのが1週ごととなり、3月29日(水)に観測できた極大になかなかもう一度お目にかかれません。(以来水曜日の観測がない!)

とにかく最新のフーリエ解析の各周期でのdetrendedの位相図を作りました。

一番長い周期でしかも変動幅が一番大きい。

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今年、強い方のDSCTタイプの変動。

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もう一つの周期の変動。

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ただし、この3つの変動周期が見つかった後でも、この変光星の長い周期の変動がいったい何に起因するのかはわかりません。

下はフーリエ解析の結果です。F3(周期20日)のamplitudeが0.008等と意外に大きいのが何故かわかりません。比較星がこのぐらいで変動しているのだろうか?ただ近くに明るい星がないので検出は難しいです。これからの課題です。

# fourier analysis with data from 2017.03.27.-04.29
# after detrend
#       frequency /d          epoch                     period d.
F1 0.2852005550     2457838.66401     3.5063045371703
F2 17.2310145000   2457839.95527     0.0580348881954
F3 0.0495912869     2457823.66822   20.1648326250634
F4 16.2706233000   2457839.93370     0.0614604604607
F5 2.0073496600     2457839.85747     0.4981693124655

F6 13.2523318000   2457839.91602     0.0754584185705
F7 16.4524196000   2457839.92750     0.0607813333426
F8 0.3950465000     2457838.17884     2.5313475755386
F9 1.2242824600     2457839.71450     0.8168049716240
F10 14.5979604000 2457839.94855     0.0685027204211
F11 19.5425877000 2457839.94013     0.0511702961425
F12 3.6493509900 2457839.80934       0.2740213267346
F13 16.9572163000 2457839.97008     0.0589719434080
F14 12.2552746000 2457839.90324     0.0815975188349
F15 8.0163635500 2457839.93139       0.1247448414437

ASAS113804-0026.5の多重周期がようやく見つかった!

ようやく今年の観測からフーリエ解析でこのDSCTの多重周期が見つかりました。

結論から行くと、2015年の観測データをPDM解析して見つかっていた周期、0.06100日と、昨年並びに今年の観測データをPDM解析して見つかっていた周期、0.05805日両方が、今年の観測データに入っているのです。

今年の観測データをdetrendしないでも、この二つの周期で位相図を作るときれいにできます。

まず今年の観測のPDM解析で見つかる周期で。

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もう一つの周期で。

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2015年の観測データから2番めの周期で位相図を作ると

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というわけで、2015年には2番めの周期が強かったのが、2016年2017年には1番目の周期が強かったようです。

DN Ophのデータ改訂をVSXに登録

1928年発見のこの変光星。ほぼ90年ぶりにようやくタイプや周期が判明してカタログに記載できました。

https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=20622

これもデジカメおじさんのおかげです。ありがとうございました!

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ASASデータのMAG_0やMAG_1などの扱い

セバスチャンが返事をくれてMAG_Nについて説明してくれました。

規則

星の光度が12等より暗い場合は   MAG_0

     11等から12等の間では  MAG_1

     10等から11等の間では  MAG_2

       9等から10等の間では  MAG_3

       9等より明るい場合は  MAG_4  の列を使うこと

だそうです。

えーっ、今までこんなことを考えておりませんでした。

ただ、調査してきた星はだいたいくらいのが多かったのでどちらにしてもMAG_0の列を使っていたと思います。

そこで今も研究中のASAS J113804-0026.5の場合は10等台なのでMAG_2の列を使わなければならないと、データを見直してみることにしました。

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そうしたら、なんとMAG_2の列が先頭に来ています!

ASASデータの方でちゃんと正しい列を先頭にして他のを後ろにしてくれているのです。

ASASデータをHJD_magの表に変換する自作のRスクリプトでは読み込んだデータの第2列を光度として使うようにしているので、知らず知らず自動的に正しいデータを使っていました。良かった。ほ~っ。

   

DN Oph

デジカメおじさんのブログでDN Ophが3月に明るかったという報告を読みました。

blogs.yahoo.co.jp

デジカメおじさんは、VSXには変光星のタイプも周期も不明となっているが、DN OphのASASデータでははっきりミラ型の変光星であることがわかることも指摘されています。

そこで、ASASデータをダウンロードして周期をPDMで求めました。周期は216.8日。

ただ、極大光度が変化しているのでどの値を極大光度にするかとか、極小光度はASASではわからないのでどうするべきかなど、セバスチャンにメールを書きました。

そうしたら極大光度は一番明るくなったときの極大光度を採用、極小光度はVizieRのデータにあるSPM4.0に載っている17.4Vを使おうとのことでした。

彼が指摘してくれたことで、前から気になっていたのですが、ASASデータのMAG_0、MAG_1、MAG_2などの列の扱いです。

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これはDN OphのASASデータの一部です。

1つのHJDにつき、MAG_0からMAG_4までとMER_0からMER_4まであります。

MAGは各アパーチャーに対応してるとありますので、アパーチャーの半径を変えて測光したものと理解しています。(本当にそうかは知りません。)

そしてMERはそのアパーチャーに対応したエラーの値と理解しています。

以前から気がついているのですが、MERを見るとMER_2の値がほぼいつも他のMERの値より小さいのです。そこで僕はASASのHJD mag errの表に直すスクリプトでは基本的にはMAG_2とMER_2を使うようにしていますが、場合によってはMAG_0とMER_0を使えるようにもしています。

今回はMAG_0の方で位相図を作って元期もそのデータ中一番明るい日を選びました。

下の表はASASデータで一番明るい日の付近の抜粋で、MAG_0で11.544等の日、4572.82です。

HJD      MAG_0     MAG_1

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そしたら、セバスチャンが光度が12等より明るい場合はMAG_1を使うようにと言ってきました。MAG_1ではHJD 4574.79の11.594の方が明るいのです。

どうして?とメールを今彼に書いたところです。

変光範囲が小さいEWとELLの見分け方

ちょうど1年前、IR Gemがアウトバーストして、それを観測した時に近くの星が変光していることに気が付き、KaiV36と番号をふりました。これが当時のブログ。

muttenz.hatenablog.com

先日、病気になる前に何晩か観測することができ、そのデータと昨年のデータなどを組み合わせて正確な周期を出し、位相図も一応満足の行くものができたのでVSXに登録申請しました。前もってセバスチャンにも意見を聞いておいたので問題なくすぐにOKが来ました。これが位相図です。

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セバスチャンに最初に意見を求めた時に、私はタイプを変光範囲が小さいEWと思って書いたのですが、彼からはっきりとこれはELLと来たので、「2ヶ月くらい前にKaiV60というのを登録したがあれはEWと言われたけれど、これもそれと似てるんでは?と質問しました。そうしたら、

「EWは極大がshallow浅く、極小はsharp尖い、ELLはその点で対称だ。

EWの周期は0.3日あたりが典型的。」

などと説明してくれました。下は変光範囲が小さいEW タイプのKaiV60の位相図です。

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なるほど、こう並べてみると違いははっきりしていて言われたとおりです。これからは一人で違いを見分けられるだろうか?

 

初めてOV Booを観測

ほぼ一週間ぶりのブログと観測です。風邪を引いてしまって休んでいました。その間天気はひどかったので、「観測できるのにー!」というストレスは幸いありませんでした。昨晩、体調も天気も回復したのでOV Booが上がってくるまでOQ Gemを観測して時間を潰しました。(しかし食外の観測もたいせつです。今晩また第一極小があります。)

VSOLJの皆さんの観測のライトカーブを見て知ってはいましたが、すごい変化に富んだライトカーブにびっくりしています。

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昨晩、例年のように冬時間から夏時間への切り替わりがありました。観測のコンピューターがどうなっていたか、ヨーロッパ時間午前2時前後のフレームの時刻を見てみましたが無事にUTのまま継続してFITSに入っていました。(ヨーロッパ時間は2時から3時に飛ぶ)

昨10月の夏時間から冬時間への切り替わりの時に日付を間違えて報告したりして、Katさんにご迷惑をおかけしたのを思い出します。