muttenz's blog

スイス星空だより

KaiV82の周期を探してみた

 

相変わらず、古い観測を見直しています。

KaiV82は昨年9月にV426 Lyrを観測していて見つけた二つの新変光星の一つです。
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もう一つのKaiV81はDSCTタイプで昨12月にVSXに登録できました。

さて、KaiV82はDSCTとは思えない周期がやや長い変動を見せます。谷から谷まで4時間以上かかります。これが発見当夜のライトカーブです。

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他の夜の観測と合わせて周期を探しました。

下はそれで作った位相図で、上図の極小付近を元期にしました。

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脈動変光星ではなさそうで、ELLタイプだとこの周期の2倍の周期、0.4250160日となるので下図のような位相図になります。

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KaiV66 と KaiV67の周期を探してみた

この時に見つけた二つの新変光星がKaiV66 KaiV67です。どちらもASAS-SNやWISEの新変光星リストには記載されていません。

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別に最近観測できたわけではなく、当時の観測がそのまま測光もされずにいるので、データ処理をしてみました。ただし、CVの観測での副産物なので、Cフィルターの観測データで、正確なV等級はわかりません。

まず、KaiV66。UCAC4に記載がないくらい、暗い星で16等台後半。しかし変光ははっきりしています。

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この3回の観測から周期を探し、それらしいものが一応見つかりました。EWですね。

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残念ながら、位相図の第二極小から極大付近に大きな穴があいています。今度シーズンになったら観測して位相図を完成させよう。

KaiV67の方はたった一回の減光が観測されただけですので、私の観測からだけでは周期はもちろんわかりません。

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そこで、ASAS-SNデータに登場願います。

そのデータをPDMしたのですが、あまりきれいなピークは出ません。なんとかそれらしいのがこれ。元期には上の減光データの終わりの方をとりあえず採用してみました。

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フェーズ、0.0と0.5付近にやや谷らしいものが見えますね。観測データを緑色で入れてみますと。

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一応、フェーズ0.5から1.0あたりがそれらしく見えます。EAタイプでしょう。

これもシーズンが来たら観測して、元期、周期を確認してみましょう。

一年半前の観測を見直していて新変光星を見つけた

天気が悪く全く観測できないので、もっぱら変光していることがわかっていてもVSXに登録できていないものを再調査しています。2017年6月にTCPJ20100517+1303006を観測していて当時二つの新変光星を見つけました。

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この二つを再調査して見ていたら、もう一つ見つかりました。KaiV88

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ただ、データ数が少なすぎて周期や元期を決められるかわかりません。

他にもちょっと怪しいのが二つ。

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ホットピクセルかもしれないので、もとのフレームを見る必要があります。

KaiV30をVSXに登録

先日ちょっと書いたKaiV30ですが、この星は10等台でかなり明るく、ASAS-SNやSuperWASPのデータがあり、それらと私の観測データを組み合わせてみたら、周期0.0635341日で見事に3つのデータセットの極大が重なりました。

青(SuperWASP)、ピンク(ASAS-SN)、赤(APASS)、緑(Kasai)です。

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0.0635341の最後の桁をちょっと変えるだけで3つの山がずれます!この変光星の周期が安定しているのですね。大きな星が1/100秒の精度で一時間半で振動するとは何か信じられません。

多重周期が見つかるかと思ったのですが、SuperWASPと私の観測データをPeriod04でフーリエ解析するとこの基本周期以外は共通なものが見つかりません。次のシーズンに連続して観測してみたいです。

上の位相図でVSXに登録し今日受理されました。65個目でした。

https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=683631

もう一つDSCTタイプのKaiV73をVSXに登録

1月5日にVSXに報告しておいた、KaiV73が受理されました。

https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=683616

これは少なくとも二つの周期がPDMでもフーリエ解析でも出てくるのでそれぞれの周期でdetrendした位相図を作りました。

振幅が大きい方の周期の位相図です。

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もう一つ見つかった周期の方の位相です。

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フーリエ解析をするとまず出てきたのは、周波数2.00530456 c/dayでした。これを周期にすると0.498677日。その2倍は0.997354日で1恒星日=0.997262に極めて近いです。差は0.000092日。観測の周期性からくる見かけの周期だと思います。ただ、星によってこの恒星日が出てこないケースもあるのでその違いはどうしてかよくわかりません。KaiV64の時も同じような周波数2.0054が出てきました。DSCTの変動幅が極めて小さいのでこの周期が出やすいのかもしれません。

さらに3つDSCTタイプの新変光星をVSXに登録

クリスマスから新年にかけてずーっと天気は悪く、観測は全くできません。そこで、ここ5年間で見つけた20個弱のDSCTの周期解析などをやって、VSXに登録しています。

前回からさらに3つ、KaiV65 76 38を登録できました。これで、今まで12個のDSCTを登録です。

現在新しく調査しているのはKaiV30で、ちょっと変わっていて面白いです。

はっきりとDSCTの波が受かりますが、更にもっと長い周期、約2日での変動があるようで、その周期での位相図。

 

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ひょっとしたらDSCT+ELLかもしれません。残念ながら、周期が2日に近く、これを観測した頃のデータだけでは全位相が受かっていません。細かい変動はDSCTの変動で、周期は約0.0635日、約1時間半です。下の位相図ではASAS-SNのデータと組んであります。

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たて座デルタ型 DSCT の変光星を12月に入って6つVSXに登録

今月に入って集中的に今まで見つけたDSCT型の変光星を周期解析してVSXに登録しました。

KaiV86,80,81,56,62,61の6つです。位相図はどれも似たような感じで並べてもあまりおもしろくないと思います。Gaiaのおかげで星までの距離がわかるので星間減光がないものとして絶対光度を出してみました。

上記の番号の順にV等級で3.27、2.62、1.68、1.47、1.65、2.63となりました。主系列付近と仮定するとA0からF2ぐらいのスペクトルクラスに入っていて、確かにDSCTだと納得しました。

スペクトルのクラスは下のサイトのデータを参考にしました。

Spectral Types

手元のドイツの天体物理の教科書ではちょっとずれて、A3からF4ぐらいになります。

KaiV61が今日受理されて、登録60個目の記念でした。