OQ Gem ただ今減光を観測中!
今日の午後またこの食変光星の周期について色々試行錯誤して、8.3日ぐらいというのがみつかり、計算したら今夜副極小があると出ました。今のところきれいに晴れていて観測中で、どんどん減光しています!当たりました!
詳しくはまた明日。
OQ Gem その後
これの続きです。
あの時点ではとりあえずの結論として、周期7.06....が良さそうと書きましたが、よくよく見るとダメでした。1月6日の平坦な観測が復光直前に引っかかります。
7日の周期を考えた時に1月20日に極小(緑)があって、その2週間前の1月6日の最初の観測(赤)に変光が全く引っかかっていないのはおかしいと思いついたのです。
今、EASolverの続きのようなスクリプトを製作中で、それでもこの7.06...はダメと出たのです。
FG Aurの極小予報 2月3月分
周期が長いのであまりチャンスはありません。でもブログに書きましたが、食の継続時間が1.7日と大変に長いのでこの極小時刻の前後20時間に観測したら必ず食の一部を観測できると思います。また、皆既食がとても長いので食の底を観測しているとまるで変光なしに見えるかもしれません。なので極小時刻というより、食の中心時刻と言った方が正しいでしょう。
2月
3月
食変光星AC CMa
おおいぬ座の食変光星でずっと極小が観測されていないのがかなりあります。
例のBAVのサイトでの表です。これらの星のCCDによる極小観測データはありません。
(O-CGatewayにA.Paschkeによる極小データがありますが、それは下の位相図にあるASASデータの一番暗いデータを極小としているもので、連続測光による観測データではありません。)
ASAS-3のデータを解析して、古い極小データと組んで、周期を改善しました。
これが位相図です。
ただ実際にその要素であっているのか観測で確かめたいのですが、AC CMaは赤緯がマイナス19度と南にあって、当地では南中高度が22度程度にしかならず、南に建物があって連続観測はほとんどできません。
先日12日夜に極小があると計算で出ました。南東方向の山から上って隣の建物に隠れるまでの間観測してみましたが、その間には減光は見られませんでした。(vsoljに報告済み) これがその時の一フレーム。
真夜中過ぎ、AC CMaが再び建物から顔を出した時点で、隣の果樹の枝が込み入っているのを通してなんとか数枚撮影できました。ひどい画像ですがAC CMaが減光したのははっきりわかります。上の画像と比べると全然写っていません。
このようにかなり減光幅の大きな極小のようです。
2月の予報を載せておきますので、南の方を観測できる方、チャンスがあったらお願い致します。これはほぼ1週間ごとにチャンスが巡ってきます。今までで最後の極小観測は1936年でした。AAVSOにも観測データはありません。
食変光星FG Aur
3年前にこの変光星を調査して、少々観測したっきりでご無沙汰してしまいました。当時の要素で予報を出したら、昨晩極小となったので一晩中観測しました。
これが昨晩のライトカーブ。
3年前に作った位相図です。
当時、3回観測したのが青、ピンク、茶のデータで、今調べたらまだ報告してなかった!これからやろう。
この星、VSXのデータによると周期は13.6日あまり、食の長さは13%、ということは1.77日!とっても一晩の観測で極小時刻を決められるはずはありません!こういうのは日本、ヨーロッパ、アメリカと連携して観測しなければ極小時刻を正確に出せないでしょうね。
OQ Gem その後
昨晩日本で1月20日以来9回目の第一極小が観測できると予報を出していました。スイスでもその終わりの方を観測できるかと薄明が終わる頃すぐに観測を開始しましたが、全く変光なさそう。これはどうしたことかと思いながら、他の星の観測に移りました。
今朝一番にVSOLJの観測報告を見たら、Mdyさんがこの星を観測してくださいました。早速ライトカーブを見たらなんとほとんど平坦。えーっ!これはどうしたことだと、報告の返信に予報が外れた事をお詫びしました。とにかく、今まで仮定していた周期が間違っていることだけは確かです。すぐに思いついたのは仮定していた周期の2倍の周期ではないかということです。
2倍の周期でMdyさんの観測を入れて位相図を作りました。
この位相図の第二極小のあたりにちょうどちょっとした凹みもあります。
昨晩Mdyさんが観測してくださったデータ(ピンク)です。
ただ、この考えに重大な問題点があります。この周期だと、Hoffmeisterの極小観測(ここでは赤い点二つ)が第二極小に来ています。Mdyさんの観測された変光範囲は極めてせまく、これをHoffmeisterが観測して食変光星を発見したと報告するとは思えないことです。彼の報告書にも変光範囲は約0.5等(写真等級で)と書かれているので変光範囲が大きくて矛盾します。
そこで、EASolverでもう一度可能性のある周期を探すことにして候補を上位から15個出しました。
[1] 1.96667894831 2.73673227116 1.14433407876 1.26084592689 6.98948187766
[6] 3.51312430310 1.53835220675 4.46778645513 7.06340418782 1.53481688589
[11] 2.33798337554 12.38353854412 1.36836613558 1.06815874051 1.69714811453
この15個の周期とそれぞれの2倍(場合によっては4倍)の周期を入れて位相図を作って検討してみました。(相当くたびれた!)殆どの候補で今までの観測データが極小の上に来たりして除外されます。生き残ったのは以下のものです。
下図は一応現在のところ矛盾は生じていません。
上の図の周期を2倍にした周期で作成した位相図。この場合Hoffmeisterの極小が1つ0.5に来ています。
これはほぼ2日の周期。ドイツのFrank(IBVSで先程調べたらPeterは名の方でFrankが姓でした)の極小が0.5に来ています。
ここで、次のように考えました。
私の1月20日の観測を除いてEASolverで候補を上位から15個出しました。
[1] 1.75635474094 1.96667642162 1.48955373945 1.63812774696 16.42332566845
[6] 9.80575319285 1.58667178136 2.13958610840 24.33567274168 6.13986785286
[11] 2.46007842038 1.36568921202 2.23422224647 1.02474537871 1.81962430383
本当の周期がこの中にあるとしたら、ここにあって、上記の15個の中にもあるはずです。両グループで共通の周期は1.96667642162と1.36836613558。後者は今まで仮定していた周期の半分の周期です。なので、この1.966...で位相図を作りましたが、これだと極小の上に乗ってしまうデータが出てくるのでダメです。周期を2倍にしてみました。
これでもFrankの極小が0.5に来ていて不満足です。
矛盾が生じないのは7.063...という周期のみです。でもこの7..063...は下の周期グループには出てきませんが、下の周期グループのトップの1.75635474094の4倍に近いことは近いです。
余談ですがEASolverで出てくる周期だと古い極小がきちんと0.0と0.5の近辺にやってきます。
周期7.063...と1月20日の極小を元期として2月分の予報を作り直しました。
副極小はあまり期待できない感じですし、周期が7日あまりなのでチャンスが日本でもスイスでもありません!今シーズンは無理かな?
date UT n
4 3.1462 2
7 15.907 2.5
11 4.6679 3
14 17.4287 3.5
18 6.1896 4
21 18.9504 4.5
25 7.7113 5
28 20.4721 5.5
32 9.233 6
KO Gem その後
2月に入って、12日に日本で再びこの変光星の極小観測のチャンスが巡ってきました。mei/nekoさんがツイッターに「Vフィルターで観測してしまった。暗い極小がうからないかもしれない」といった趣旨の事を書いておられましたが、無事に極小が観測されました。
VSXに報告するにはやはりVフィルターでの極小光度のほうが良いので、結果的にはVフィルターで観測してくださってありがたいところです。どうもありがとうございました!
そこでこの間のIcフィルターの観測データの代わりにこのデータを位相図に入れました。Icの食の深さよりこんどの方が深そうです。2等近くの減光です!
KisさんとMdyさんが第一極小、第二極小もそれぞれ観測されたので、おかげさまでVSXに登録する準備がほぼできました。