2016年に見つけた食変光星、KaiV44をVSXに登録できました
2016年、V931 Ophの周囲で見つけた新変光星のうち、暗くてなかなか位相図が完成していなかったKaiV44を、今シーズン観測してようやく位相図が大体完成しました。とはいっても17等台でスキャッターは多いのでセバスチャンにOKしてもらえるか心配でしたが、意外と良いじゃないのとの返事で、第一極小と第二極小を入れ替えるだけで良いとのこと。今朝新しい位相図を作って登録申請したら、今日のうちにOKが来ました。これが2016年と今年の観測を組み合わせて作った位相図。
VSXのこのページで見られます。
https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=623500
これで確か登録49個目。あと一つで50個。頑張るぞー!
V432 Lyr の増光を観測中!
先日、このV432 Lyrは無変光星と書きましたが、ASAS-SNのデータから今夜ひょっとしたら食があるかもしれないとなりました。
2時間ぐらい前から観測開始し、まだ続いていますがなんと増光中です。
この星はやはり食変光星だったんだ!周期は約12日です。
昨晩も再びV931 Oph付近を観測 一つ新変光星
先日来、V931 Oph付近を観測して、2016年当時発見した新変光星の周期を改定しています。V931 Oph、 KaiV40、 KaiV41、 KaiV42 の周期をすでに改訂してVSXに登録できました。
昨晩、KaiV44の第二極小があるので再びこのあたりを観測しました。そうしたら、一つ新変光星が見つかりました。KaiV80。DSCTです。どうして今まで気が付かなかったのだろう?
APASSデータでは12.135V 12.568Bとあり、B-VはDSCTに合います。
今年は新変光星が全然見つかりませんでしたが、ようやく二つ目。
OX Lyr という変光星
16日夜は以前にちょっと観測したことがあるV432 Lyrという変光星の観測をしました。
これは一応食変光星ということになっているのですが、どうも無変光のようです。
そうしたらその写野にはOX Lyrという変光星が写っているので、ちょっと調べてみました。VSXではタイプLとなっています。これは要するに変光しているらしいがタイプや周期が見つかっていないというやつです。
ASAS-SNでデータをダウンロードしたら見事なライトカーブです。
これは周期もありそうです。PDMでやったら231.2日と出ました。
それで作った位相図です。
ASAS-SNすごいですね!
このOX Lyrのデータの改訂をしようと、今セバスチャンにメールを書いたところです。
V931 Ophとその周囲の新変光星 周期の改訂 続き
昨日の続きです。本命のV931 Ophの周期を改訂しました。
古い周期、0.60604日で作った位相図。
改訂した周期、0.6060304日で作った位相図です。
V931 Ophとその周囲の新変光星 周期の改訂
2016年にV931 Ophの周期を見つけた時の観測で、全部で6つの新変光星を見つけました。うち一つKaiV42は一応NSVにすでに登録されていましたが、座標はずれているし、タイプ周期は未知でした。
そのうちKaiV44は大変に暗くまだVSXに登録されていません。そこで、これを登録することを目標に先日来観測を続けています。その際、登録済みの変光星の極小が予報から外れることに気が付きました。要するに2年前に1ヶ月ぐらいの観測で決めた周期はどうしても誤差が大きいので、2年も経つとその誤差が積もり積もって極小のズレとなってはっきりとわかります。
手始めにKaiV42=NSV11278の周期の改訂をやってみました。2016年と2018年のライトカーブが位相図で重なる周期を見つけるわけです。
2年前には周期を0.583927日としていましたが、改訂周期は0.58401日となりました。
0.000083日=約6秒長くなりました。
このように、発見した食変光星の周期は数年経って見直す必要がありそうです。
もう一つやりました。
KaiV41です。
こちらは0.38317日から0.3831055日となりました。0.0000645日=約5.6秒短くなりました。
VSXにこれら2つの周期の改訂を届けたらすぐにOKが来ました。
ちなみにこの写野にはASAS-SNが見つけたSRタイプの新変光星がVSXには記載されています。私が見つけた6つのEWタイプの変光星はASAS-SNでも当然見つかったと思われますが、既知の変光星なので、ASAS-SNの発見にはなっていませんでした。
日本からスイスに戻りました
7月23日から約2週間半、日本に一時帰国していました。
帰国するたびに集まってくれる天文仲間と今回はスカイツリーを見たり、そこのプラネタリウムで流星についてのプログラムを見たりしてから、飲み会。楽しかったー!
集まってくれた皆様、どうもありがとうございました!
その後の8月はじめのフルート講習会も無事に終了、娘たちの演奏会も盛会でした。
さて先週の木曜日に成田からSWISSの直行便でチューリッヒに戻るはずだったのですが、運悪く台風13号がちょうどやってきて、この便はキャンセルされてしまいました。娘が乗った羽田発のルフトハンザ便は問題なく飛んだのですが。。。折しもお盆の前で、ヨーロッパに向かう便はどれも満席状態。代替便を探してくれるSWISSの職員も、「なかなか見つかりません!」と悲鳴を上げる有様。それでもなんとか金曜日のスカンジナビア航空のコペンハーゲン行きに空席があって、コペンハーゲンからチューリッヒに飛び、夜遅くに帰宅できました。
土曜日はとても良い天気となり、ぜひ久しぶりに観測をしたいと、赤道儀からはずしておいた望遠鏡をまた載せて、急いでいろいろと調整をしました。実際に観測を始めたらどうもバランスがうまく取れていないようで、オートガイドがうまく働きません。真夜中にあれこれやって25時半ぐらいになってようやくなんとかまともに動き出し、試運転をしました。
日曜日には夕方明るいうちからバランスを再度取り直し、キャリブレーションなどもし直して、V931 Ophを一晩観測してみました。この食変光星の周期は一昨年前に見つけてVSXに届けました。この星の周りにいくつも新変光星を見つけたので、そのチェックもやってみたかったのです。
昨晩のV931 Ophの観測データからVSXに届けた要素で作った位相図です。
第二極小が受かっていますが、フェーズ0.5から少し外れています。一昨年決めた周期、0.60604日がホンのわずかに長すぎたようです。
0.60603日にすれば0.5のところに極小が来ます。