muttenz's blog

スイス星空だより

KaiV37の位相図は変化している

KaiV37についてこのブログで書き始めた時に、昨年の位相図と今年の位相図がまるで異なると書きました。

もう一度載せておきますと。

今年の

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昨年の

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一年でこれだけ変化してしまいました。

以前書きましたが、この星のデータがCRTSサーヴェーデータに見つかりました。

上の位相図の周期とはちょっと異なりますが。

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データをよく見るとこのCRTSの観測は一年どころか実に2005年4月から2013年6月までの長い期間のものです。一年で変化するぐらいですから、これだけ長い期間ならば当然位相図は変化したはずで、それを一つにまとめたらごちゃごちゃの位相図になっても仕方ないですね。

なかなか難しくてまだ満足な結果ではないのですが、この12年のデータを3期に分けて位相図を作ってみました。(全部を通じて元期は今年の極大時刻を、周期は新しく算出したものです。縦軸の光度は固定してあるので、明るさはそのまま比較できます。)

1.2005年4月から2008年9月です。フェーズ0.0と0.5に低めの極大ができているが、0.5の方が明るい。

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2.2009年2月から2012年4月まで。同じくフェーズ0.0と0.5に極大があるが今度は0.0の方が明るくなっている。

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3.2012年9月から2013年6月まで。今年の位相図のように典型的RRの位相図。ただ、今年のピークは0.0にあるのに、この時期のピークは0.5にできている!減光の途中のコブがかなり大きい。(フルートの音!)光度が全体に明るくなっている。

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1.から2.への変化は山の高さが少しずつ変わっていってできると思われるのですが、2.から3.はその間の観測が抜けているのでしょうか、どのように変化してこのようになるのか思いつきません。

それぞれの状態から次の状態にスイッチされていく時期を観測できたらさぞ面白いだろうと思うのですが、いつそれが起こるかわからないので観測はちょっと難しいでしょう。