KaiV110の発見からVSX登録まで 「ようやく登録できた!」
正しいと思われる周期が見つかり、それで作った位相図もリーズナブルなものなのでいよいよVSXに登録を準備できます。
フェーズ0.0付近を対称にしたり、いくつかの極小観測ができるだけ重なるように周期や元期を少し変化させたりして微調整をします。たとえば
こうして最終的な位相図を作りました。
位相図のデータ点の色はVで観測した場合は緑、Rcの場合はピンク、Icの場合は赤にしています。Cフィルターで比較星のRc光度を使う場合もピンクにしています。
今回はCフィルターの観測で比較星のRc光度を使ったのでピンクです。(VSXではCフィルターの場合は赤の感度が強いのでRc光度を使うことを推奨しています)
11月9日月曜日に登録を申請して10日火曜日にVSXから登録が受理されたとのメールが届きました。
これがKaiV110のVSXのページです。
https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=2214148
KaiV110は今ではVizieRでもデータとして出てきますが、この変光星はASASSNでもATLAS、ZTFでも検出されていません。
KaiV110のASASSNデータについて
発見した当時もちろんASASSNデータをダウンロードして周期解析をしたのですがパッとした結果は出ませんでした。
そして最終的に正しい周期が出たところでもう一度ASASSNデータで位相図を作りましたが、これも意味のあるものではありませんでした。
以上がKaiV110の発見からVSX登録の経緯でした。発見から登録まで約2ヶ月でかなり速い方です。(一番短かったのは昨年のKaiV105で一年前の大晦日に発見して正月2日に3日間で登録できました。)