苦労して探したOQ Gemの周期がASASSNのデータであっさりと見つかった!
このあたりの続きになります。
今年はじめから3月にかけて散々あれこれ考え、観測して探したOQ Gemの周期が、ASASSNのデータであっさりと解決しました。嬉しいやら、がっかりやらです。
最後の方で結論として求めていた周期は7日あまりでしたが、外れでした!
これがASASSNのデータで作成した位相図。周期を7日あまりにするとめちゃくちゃになります。
求められた周期は4.8117682。一度この位の周期に行き当っていました。
ここに書いてありますが、4.8119427を求めていたのですが、Hoffmeisterや他の極小観測がフェーズ0.0とか0.5から大きく外れているので間違いと思いました。今回得られた周期でこの問題がどうなるかこれから検証してみなければなりません。
ASASSNのデータは素晴らしい! MT Gemの周期があっさりみつかった
MT GemはHoffmeisterによって発見されましたが、周期が全くわかっていない食変光星で、昨年来ASASデータでなんとか2.05日の周期らしいと言う結果を得ていましたがそれ以上の進展は不可能でした。それがなんとASASSNのデータであっさりと解決しました。
昨日書いたASASSNのサイトからMT Gemのデータを1000日分ダウンロードしました。数分かかりますが、それだけのことはあります!
なかなか良さそうな感じです。
データをCSVフォーマットでダウンロードしてPDM解析しました。
とってもきれいな位相図です。
ちゃんとかすかな副極小も捉えられています!このEAはすごく暗くなるということもわかりました!これから周期不明の変光星の周期がどんどん見つかると思います!
KaiV68をVSXに登録できました
この夏、KaiV57の観測中に見つけたKaiV68をようやくVSXに登録できました。典型的なEWです。VSXのこのサイトで見られます。
https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=545339
発見した新変光星でVSX登録40個目です。
ASASSNのデータが利用できる!
KaiV68をVSXに報告する前にセバスチャンにみてもらいました。その返事の中で、彼が「ASASSNのデータを利用できるようになった」と教えてくれました。10-11等台から、16等台ぐらいの範囲で全天(!)をカバーしています。角度分解能は17秒ぐらいだそうです。
このサイトからデータをもらえます。
ただ、左下にある「I am not robot」をクリックしないと働きません。クリックすると「幾つもの写真の中から橋が写っているのを選べ」と出ました。簡単なテストです!
今回のKaiV68の座標を入れて見たら、13等台のデータが出たのですぐ隣の明るい星の光が混入しているようで使えませんでした。
海王星の月、トリトンによる12等星の掩蔽 10月5日
つい、今日になって知ったのですが来週10月5日にヨーロッパでトリトンによる12等の星の掩蔽が見られるそうです。しかもスイスはその掩蔽の中心線あたりにあります。
詳しくは下記のウェブサイトで見られます。
https://hubble.mit.edu/prediction.html
その時の海王星の高度は26度。我が家の庭で観測できるだろうか?掩蔽の継続時間は約2分半です。天気はどうでしょうか?(今のところ予報は曇りです。)一日前に予行演習をやって、その時刻にそもそも観測できるかとか、露光時間やフレームの読み出しなども試す必要がありそうです。
トリトンには大気があるので、おそらく星の光も瞬間的に暗くなったりあかるくなったっりしないはずで、その減光や増光の様子を観測するのが重要らしいです。
8ヶ月前の観測フレームを見ていて新変光星を見つけた!
今夕、KaiV57付近の観測をしていますが、雲が通過するのでコンピュータの前に座りながら、ディスプレイを見てオートガイドがはずれないようにしています。でもかなり暇なので、今年に入ってからの観測フレームを最近になって使い始めたMuniwin2.1でチェックしています。そうしたらなんとこんなのがありました。
かなり明るい星で見落としたとは思えないので、比較星を変えてみたり、アパーチャーサイズを換えて見直しましたが変光範囲は小さいもののはっきりと変光しています。自分のKaiVカタログにも、VSXにもVizieRにも変光星と登録されていません!GSCナンバーがついているような明るい星です!KaiV71にしました。
AstroImageJを使ってマスターダークフレームを作ってみた
前回も書いた集録で鈴木さんが説明してくださった方法、(5-1)に従ってマスターダークフレームを作ってみました。できてくるフレームはどうも32ビットのようです。
出来上がったフレームをCCDSoftで見ようとしてもまずは真っ白の画像になりましたが、ヒストグラムを出させて調整したら見られるようになりました。数値を見ると大変に大きな値です。FITSファイルの数値に関してよく理解していませんが、この値でダーク減算したらマイナスになってしまうのではないでしょうか?
鈴木さんがマスターダークフレームの他の作成の可能性を書いておられます。(5-2)
このやり方でやってみても同じような値のフレームができました。
ただ、このマスターダークフレームと今まで使用してきたフラットフレームで昨晩観測したフレームをAstroImageJでダーク、フラット処理したら、普通のフレームが得られました。(下の方の画像参照。)
ちなみに同じダークフレームのセットからMuniwinで作ったマスターダークフレームはこのようです。
ダーク処理に、AstroImageJで作ったマスターダークフレームを使った結果(左)と、Muniwinで作ったマスターダークフレームを使った結果(右)と比べてみてみます。
左のほうが黒っぽいですが、同じピクセルのところの数値を見比べると右の方が200ぐらいどこでも高いです。まあ、測光してみると結果に差はほとんどありません。