muttenz's blog

スイス星空だより

あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

皆様どのように大晦日、元日を過ごされたでしょうか?

ドイツやスイスでは、年が変わるにあたって大晦日の方が重要で、花火をあちこちでバンバン打ち上げたり、友達同志で集まって24時を過ぎても遅くまで(明け方まで。。)飲むと言ったことをして、元日は飲みすぎた頭でぼーっと過ごすと言うことがおおいようです。

音楽家の場合はそうも言っていられなくて元日から練習やコンサートがあり、オーケストラに入った頃は元日に仕事というのが気分的に辛かったです。(ウィーンフィルの新年演奏会はご存知の方も多いと思います。)

大晦日は夕刻には晴れ、天気予報では22時頃までは雲が時々通過する程度とのことで、KaiV53の極小観測が出来るかと楽しみにして観測開始しました。しかし、20時頃には薄雲が広がり、どんどん厚みをましてあっという間に観測中止。さらに夜中には雨が降るとのことなので泣く泣く望遠鏡をしまいました。この観測についてはまた。。

天文仲間の方が日本の歳時記カレンダーを送ってくださいました。ありがとうございます!

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月齢や二十四節気、七十二候が記載されていて月、太陽の動きを感じられます。名の通り、歳時記についても説明記事が豊富で、スイスにいながら日本の季節の移ろいを感じさせてくれます。

 

2017年をふりかえって

Ngaさんがブログで今年の重大事件とこの一年をふりかえって書いておられるのを見て、そうだ自分もやってみようとどんなことがあったか(初めて!)考えてみました。

 

1.とうとう必要に迫られてFacebookを4月に始めました。

そうしたら、そのおかげで古くからの友人、弟子達、そして新しい友人から近況やいろんな情報を得られるようになって、本当に世界が広がりました。とりわけFBを通じて天文仲間のやっていることややり方などを知ったり、意見を交換したり大変に励みになります。

 

2.この夏には関東地方と倉敷近辺の変光星観測仲間の方たちにお会い出来て素晴らしかったです。

倉敷では初対面の私を個人の天文台から岡山天体物理観測所のスケールまでの色々の天文台を案内してくださって、見せてくださいました。関東地方の仲間とは三鷹天文台を見学しました。途中からすごい土砂降りになったのも今では懐かしい感じです。皆様に本当にお世話になりました。ありがとうございます!

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3.ASAS-SNのデータが使えるようになったこと。

今まではサーベーデータを利用できても天の川のあたりはなかったり、赤緯で限られていたり、データのスキャッターが多かったりと随分制限されていたのですが、ASAS-SNは全天16等ぐらいまで質の良いデータが得られるので大変便利になりました。これを利用して周期未知の食変光星の周期を求めることがずっとやりやすく確実になりました。また、新変光星が見つかったら周期やタイプをかなりはやく決められるようになりました。(DSCTのように変動幅が狭いものは難しいですが。。)(下の方に周期が判明した食変光星のリストを載せておきます。ただしVSXにはほとんどが未登録です。)

 

4.ケプラーの観測データを初めて自分の観測と関連づけて解析できたこと。

3シーズン観測してデータがたまった変光星ASAS J113804-0026.5のタイプや周期をみつけましたが、その星をたまたまKeplerが観測していて、そのデータによって自分の観測、解析結果を裏付けることができました。まだ研究中です。。。

 

5.2017年中にKaiV64から77まで14個の新変光星を見つけられ、そのうち5個をVSXに登録できました。

14個の内訳は、DSCT 5、 EW 5、 EA 1、 UV 1、 ELL 1、 不明1。昨年までに見つけたなかからも5個登録でき、計10個を2017年に新規登録できました。今までの新変光星の登録総数は45個です。

 

6.振り返るために自分のブログを読み直したら、やりかけの仕事があちこちあるので、来年にはそれを完成させよう。

いろんな星の事を面白がって次々と調べているとついそれまでのを忘れてしまう。。。

 

皆様、色々お世話になりました。ありがとうございました!

それでは良いお年を!いっぱい夜空が晴れますように!

 

 

ASAS-SNデータを使って周期が求められた食変光星。()はまだ確実ではない。

Gem

MT OQ

Lac

EH FR FS FT GT GW GZ HH HI (MQ) (MU) V349

Cas

V443 MX (V371) (V431) V458 V462 V464 V577 V578

Aur

V437

CMa

FK FO

 

FO CMaの周期が判明

ASAS-SNのデータをダウンロードして見ました。

VSXには16等から17等台となっていますが、ダウンロードしたデータは13等台。これはおかしいとGuide 9.0でみたらすぐそばに明るい星(13.244等)があります。これでは周期など見つからないかと思ったのですが、とにかくPDMで周期を探しました。

意外と周期が見つかりました。

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そこで、KaiV77の時にセバスチャンが提案してくれたようにこのデータを13.244等でdeblendせずもう少し暗い星を仮定してdeblendしました。

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やはり一度観測して変光範囲をVで決めてそれに合うようにdeblendする必要がありますが、とりあえずこの線で予報などを出せるようにしよう。

FK CMaの周期を見つけた

例のごとく、周期がわかっていない食変光星、FK CMaの周期をASAS-SNのデータで探しました。

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ここで使った元期は2438000で、ついこの間2458000でしたから、その間2万日が経過したわけですね。周期は2.1日と短いのでチャンスはいっぱいありそうですが、南の方なので観測時間がそれほど長くはとれないですね。(私のところからは観測不可能)

14.8等から16等ぐらいなので少々暗いです。

2018年1月の予報です。日本では4日あたりからチャンスでしょうか?南中時がちょうど極小あたりになる時はいつでしょう?

追記

昨晩ここに掲載した予報は計算間違いでしたので削除し、正しい予報に入れ替えました。(どなたかお気づきになったかもしれませんが、nの値が10万台で、2万日しか元期から経過していないのにありえない値でした。計算の際の元期でゼロが一つ足りなかったのが原因です。)

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V437 Aurの続きです

鈴木さんが25日に雲の合間から観測してくださったデータを、昨日の第二極小付近の位相図に入れました。

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緑は鈴木さんの12月13日の観測、赤は25日の、青は私の25日の観測データです。

次のチャンスは正月元日の夜から2日にかけて25.38時(JST)の第一極小です。こちらの極小観測はまだで、KWSデータによると、第二極小より暗く、9等台になると思います。

昨晩のV437 Aurの観測

昨晩ブログに書いたようにV437 Aurの第二極小後の増光から観測を始め、最終的には朝方まで無事に観測を継続できて、復光、食外と観測データが得られました。

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日本では鈴木さんが雲の通過に悩まされながらも極小付近を観測してくださったようです。そのデータはまだ次の位相図には含まれていませんが、私のデータと以前の鈴木さんの第二極小付近のデータを組んで見ました。

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私のCCDカメラの写野は狭いので鈴木さんの使われた比較星を入れることができず、別の星を比較星にしたのもあってゼロ点があっていないようです。これから調整する必要があります。

大雑把な計算では、食の時間は第二極小では約15時間かかっています。

ただ今V437 Aurを観測中

ほぼ2週間ぶりに晴れています。時々薄雲が広がりますが、V437 Aurは明るいのでなんとか観測中で、予報通り増光中です。

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8等台のような星を今まで観測したことがなく、ちょっと明るすぎて戸惑っています。

日本で極小が観測できたでしょうか?楽しみです。