周期未知の食変光星 V432 Lyr のデータ改訂をVSXに申請して受理されました
この続きです。
この夏以来、スイスや日本で極小を観測することができて、位相図がはっきりしたので、この変光星を発見したKurochkinのデータ、ASAS-SNのデータなどを組み合わせて周期を細かく決めました。VSXに送った位相図です。元期は9月に赤澤さん、水谷さん、大倉さんが観測してくださったデータから決めました。
この星の食の継続時間はフェーズにしてわずか1.6%。3.7時間。これでは昨年6月に何度か試みたようにやたらめったら観測しても食にぶつかる確率は本当に少ない。
第一極小付近です。
第二極小付近です。
日本、スイスの連続観測をするチャンスは残念ながらありませんでしたが、食を観測する機会が増えるので大変にありがたいです。
赤澤さん、水谷さん、大倉さん、ご協力どうもありがとうございました。
今日から冬時間、そしてひょっとしたら最後の冬時間
今日からヨーロッパ全体で夏時間から冬時間に切り替わり、今朝の3時に時計を一時間前に戻して、2時にしました。
これで、来年3月末までは冬時間(正式にはヨーロッパ中央標準時という)が使われます。これはUTより1時間進んでいます。
今年この夏冬の2種類の時間制についてアンケートをとったら、半分より遥かに多くの人が反対で、夏時間を一年中使い続けるほうがよいとの意見だそうで、もう来年にはそうなるかもしれないようです。そうするとヨーロッパ中央標準時は使われなくなって、一年中夏時間。ということはスイスあたりは東経7度半ぐらいなので地方太陽時に比べておよそ1時間半も先の時刻を一年中使うことになります。とにかくこの夏冬時間の切り替えは面倒くさいし、人によってはしばらく睡眠障害が起こると言われます。
日本で、オリンピックのために夏時間を導入とか言っていますが、そのために社会全体が混乱を起こすのは馬鹿げていると思います。競技の時間だけをずらせばよいだけではないでしょうか?
ヨーロッパで夏時間が導入された年、1980年だったか、スイスはわが道を行くで、冬時間のままでした。あれはすごかった。バーゼルから隣のフランスやドイツに出た途端に一時間時計が先に行っているのです。そのため鉄道が大混乱で、スイスも夏時間を受け入れざるを得なかったとか。
個人的にはずっと冬時間で満足です。アマチュア天文家がサマータイム(Daylight saving time) のことをStar light wasting time と言ったとか。
周期未知の食変光星 V577 Cas の第二極小への減光を観測
この変光星の周期を昨秋、ASAS-SNのデータから見つけました。
以来、今まで観測できずに来てしまいました。昨晩、10月25日夜21.5367時UTに第二極小があると算出されたので、観測を試みましたが、途中で曇られました。
減光がはっきり受かりました。
RでV-C,K-Cをプロットするスクリプトをようやく作りました。(Kはチェック星)
ASAS-SNやAPASSのデータと合わせて位相図を作りました。まだゼロ点合わせはしてありません。黒、ASAS-SN、赤、APASS、緑、昨晩のデータです。
APASSのデータだけでもなんとなく変光の様子は見て取れますね。そして、昨晩の観測データもそう外れてはいないようです。
ASAS-SNデータはすぐ近く(上の方の画像で変光星のすぐ上、西)にある13等星の光がおそらく混入して明るめのデータになってしまったのでしょう。
KaiV76 - V578 Cas のそばの新変光星
昨年11月22日にV578 Casを観測したときに新変光星を発見し、KaiV76と番号を振りましたが、VSXにはまだ登録していません。
先日の観測でもきれいなDSCTタイプの変動を見せてくれました。
下は昨年11月22日の変動。
で、周期は0.092日ぐらいです。
周期未知の食変光星 V578 Cas の第一極小を観測
これの続きです。
昨年判明したこの食変光星の周期はほぼ一日なので、なかなか観測の好機が訪れませんでした。昨晩真夜中に第一極小のはずなので日没後すぐに準備、観測開始。そうしたら、雲が続々とやってきてしまいました。衛星画像を見て雲がいずれ切れるはずなので、ずーっと我慢していたら約一時間半後に晴れてきました。朝方霧が発生してしまいましたが、極小が受かりました。
昨年11月22日に第一極小前を観測できていたので、そのデータとつながるか、位相図を作りました。
完全に重なる!月夜で空も明るく、しかもこの星16等台なのですが、結構良いデータがとれました。
第二極小も観測しなければ。。。
周期がほぼ1日なので現在は第二極小は真昼になります。今予報を計算したら、第二極小が観測できるのは11月末まで待たなければなりません。
V426 Lyr の第一極小を観測できた
幸運なことに昨晩は朝まで霧が出ることなく快晴で、V426 Lyrを沈むまで観測できました。(その後、EG Cncを見ましたが、まだ暗いままです。)
もちろん、高度が低くなって観測の終わりの方はスキャッターがどんどん増えますが、一応極小が受かりました。
加藤さんのeclminで極小時刻を出すと、2458413.384656(846)が得られました。
それを新しい元期として、とりあえず今回のデータ、今までの周期で位相図を作りました。(他にも幾晩かの食外データがありますが、まだ入れてありません。)
第一極小付近です。
これを見ると、Kurochkin(クロチキンと読むのでしょうか?)の極小観測がフェーズ0.0にぴったりです。しかもASAS-SNの減光カーブと昨晩の減光部分がよく重なっているようです。ということはおそらくApsidal motionはないでしょう。
新しいデータはありませんが、新しい元期を入れての第二極小付近の位相図です。
楕円軌道を持つ V426 Lyrの第一極小を観測中
周期未知だったこの変光星の周期をASAS-SNのデータから見つけたら、楕円軌道らしいとわかりました。
以来第二極小に関しては二回食を観測できました。しかし天候や時間の関係で第一極小は一切食を観測できませんでした。ようやく今、そのチャンスが来ています。
これから、二時間後21.75UTが極小のハズです。
現在減光がちゃんと受かっています。
空の透明度が少々悪く、月が明るいのでスキャッターが多いです。これから霧が発生するとの予報ですが、できるだけ遅くなって欲しいものです。
とにかく第一極小の予報もあっているようなので、この星が楕円軌道を持っているということは確実になりました。