muttenz's blog

スイス星空だより

スイス天文同好会の総会の様子

昨日はお昼ごろバーゼルを車で出発、途中事故による渋滞がありましたが1時間半くらいでシャッフハウゼンに着き、ピアニストの友人と会場に行きました。

午後2時から5時半まで4つの講演がありました。

最初はシュトラスブルクやシャッフハウゼンの天文時計を作ったHabrechtハーブレヒトとその時計についての講演でした。この時計には普通の長針短針のほか、黄道12宮における太陽の位置、月の位置、月の昇降交点(なんと18年以上で1周)を表す針などが備わっていて、日食、月食の予報に使われたそうです。ウィキペディアに写真や説明があります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%A4%A7%E8%81%96%E5%A0%82

 

2番めはドイツの若手の天体物理学者、アンドレアスミュラー氏が宇宙の創世から相対論、時空間について大変うまく説明してくれて、わからないことでもわかったような気になりました。講演の後での会食の時に彼がそばに座ってくれたので個人的に随分話すことが出来ました。彼はマックス・プランク研究所で働いていて、日本の研究者とも交流があるとか。またX線天文学の分野が専門で日本のX線観測衛星のこともよく知っていました。彼のウェブサイトには天体物理学事典Lexikonも入っていて色々調べられます。(ただしドイツ語のみ。)

http://www.wissenschaft-online.de/astrowissen/index.html からLexikonをクリックする。

 

3番めはベンムーアというイギリス出身のチューリヒ大学の教授の講演です。彼は、天体物理学、コスモロジーが専門で、ウェブサイトは

http://www.astroparticle.net/

エレキギターも弾けるし、スノーボードもすごくうまいとか。youtubeに彼の率いるロックバンドの音楽伴奏で銀河系ができていくシミュレーションが流れているのがあったり、ともかく変わった学者です。「宇宙の象」Elephant in allという面白い題の本を書いてます。ケプラー観測衛星についてとか、宇宙の終末期について話してくれました。

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4番目はシャッフハウゼンにある有名な(高価な)時計の会社、IWC(International watch company)のなかば広告。そこの人が恒星時腕時計を紹介してくれました。一つ一つの時計は特注品で、その人の希望する場所(緯度、経度)の恒星時時計、星座早見盤がついてます。下のアドレスで日本語で詳しい説明を見てみてください。すごいですよー。でも、腕時計の大きさの星座早見は僕の老眼にはただの小さなグレーの円盤にしか見えない。値段もすごいらしい。(彼ははっきりは言ってくれなかった。スポーツカーぐらいって、ぼそっと言ったように聞こえたけど。)ただ、綺麗ですねー。

http://www.iwc.com/ja/collection/siderale/IW504101/

夕食会の後で、同好会の所有する観測所、プラネタリウムを見学。行った時はまだ曇っていたけど、プラネタリウムを見せてもらっている間にかなり晴れてきて、40センチニュートン、MeadLX_200とかで土星、M13など見せてもらった。家に戻ったのは午前1時半でした。

下の写真で、右手にいるひげのすごいおじいさんが友人のピアニスト。(Werner Baertschi、日本にも行ったことがある。)

左手奥が40センチニュートン(経緯台式のマウント)手前は12センチ屈折。

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