muttenz's blog

スイス星空だより

大熊座の食変光星 MS UMa の位相図の変化

一年ぶりに投稿します。すごい発見などではありませんが、ずっと続けている変光星観測をしていて、今朝気がついたことを書いてみようと考えました。

昨晩観測した星はMS UMaという、大熊座にある食変光星です。この星を2023年、2024年と観測して来て、今年は今回が3回目でした。昨晩はクラカウの予報では夜半前に第一極小が、未明に第二極小があるはずでした。

2025年5月14日観測のライトカーブ

残念ながら、2つ目の極小前に星は沈んでしまいましたが、明らかに最初の極小より暗くなりそうです。ということは、第二極小の方が第一極小より暗いことになります。こういう事はまあ時々起こるのでそれ自体は珍しいというほどではありません。

今年の3回の観測データを合成して位相図を作りました。

2025年5月の観測データから作った位相図

確かに第二極小の方が暗くなっています。

そこで比較のために、一昨年、昨年のデータでそれぞれの時の位相図を作りました。

2023年

2024年

これらを見ると、第一極小と第二極小の光度にそれほど差は見られません。

明らかに昨年から今年の間にこの変光星に何かが起こったことになります。