KaiV107の発見からVSX登録まで(4) 「周期を前回の2倍にしてみた」
この変光星を発見するきっかけとなったKaiV67はもう足掛け3年ぐらい観測しています。2017年に観測したフレームに写っていないか全部チェックしたら数回写っているので測光しました。残念ながら極小の観測はありませんでしたが、このような食外のデータも場合によってはある特定の周期の可能性を否定する証拠になることがあるので重要です。(食外のデータが極小のデータの部分に来るような周期は正しいはずが無いからです。)
さて、前回書いたように周期を2日あまりにすると第二極小が受からないことになってしまいます。そこで、それまでの2020年のデータと2017年のデータ全部を使って、周期を2倍にして位相図を作りました。
かなり良い感じですが、第二極小が観測できていないですね。これだとこの周期が正しいということはまだ言えませんし、第二極小がどのくらい深いのかが全くわかりませんからVSXへの登録は全く不可能です。
こういう場合にASASSNデータをここで見つかった周期で位相図にすると役に立つことがありますが、今回は全くだめで、ただのごちゃごちゃの図が出てきました
PDMで周期を探しても意味のありそうな値は見つかりません。
まあ、そういう観測データだったのでASASSNの変光星カタログにも記載されていないわけです。