KN Gem について
今日VSOLJの観測報告を見ていたら、OnrさんがGEMKNの観測報告に、GEMKNってなんだろう、GCVSにもでていない、と書いておられました。
vsolj-obs 43297
ちょっと好奇心を刺激されて、VSXで何が書いてあるだろうと見てみました。
http://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=14541
そうしたら、「これは小惑星、123Brunhildを撮影したのをU Gemタイプの変光星と判断したものだ。なので、この変光星は存在しない」とのことです。
VSXに発見報告がAN261.1936にあると書いてあります。それをインターネットで探して、
http://articles.adsabs.harvard.edu//full/1936AN....261..261M/0000147.000.html
その星のデータの部分のあたりだけここにコピーしました。
645.1936 Gemとあるのがその星のこと。(そのしたの646.1936はBRGemになったらしい。)後ろの数字10は注の番号です。注にはこんなことが書いてあります。
1936年1月24日の乾板にのみ明るく写っているが、25日には見えない(14.5等以下)他の乾板も同様。星像は乾板の誤りではありえない。小惑星は考慮の対象にならない。
僕が使っている星図ソフトGuide 9.0で考証してみました。
上記のデータ、特に星の位置は1855年元期です。それで、その元期を設定し、日付をいれ、星の位置を入れ、小惑星123Brunhildを表示させたら、見事ずばりでした。
中央の十字が観測された星の位置。黄色のバッテンが小惑星の位置。
30秒角離れていますが、もとの星の位置が0.1分単位までしか書いていないのですからこのくらい離れていても仕方ないでしょう。
ちなみに左の方(東のほう)にBR Gemがあります。
というわけで、KN Gemは小惑星を変光星と誤認したということで決着がつきました。