ASAS-SNデータでカシオペア座の周期不明の食変光星の周期を探そう V431 Cas
今日はV431 Casを調べました。
例のごとく、データをASAS-SNからダウンロード。PDMで0.1-1.0日と、1-10日の範囲で周期を探します。それらしい周期が見つかりました!
ひょっとしたら2倍の周期かもしれません。
この星のすぐ近く(10")にほとんど同じくらいの明るさの星があり、その光が混ざっているかもしれません。
ASAS-SNデータでカシオペア座の周期不明の食変光星の周期を探そう V371 Cas
時々この仕事の方も進めています。今回はV371 Cas。
1943年の発見のようで、周期が未知です。
ASAS-SNからデータをダウンロードして、PDMで0.1-1.0日、1-10日と探しました。
VSXの元期で作ると極小が随分外れます。
とりあえず、一番暗いデータを極小に持ってきて、増減光のカーブを少し綺麗になるように周期を加減しました。
この要素で今月の予報を作りました。
おそらく本当の周期はこの2.89日の2倍と思われますので、上の予報の副極小は変動がないかもしれません。観測するなら、nが整数の時にしてください。
KaiV61 昨年12月に見つけたDSCT型の新変光星 続きです
昨日は今年9月から今までの観測データを解析した結果を書きましたが、今日は昨年12月の観測データを解析しました。昨年、今年と共通な点もありますが、随分と異なる点もあります!
昨年の観測データをフーリエ解析した結果です。
比較のために今年のを再度載せます。
共通点
上のF1=下のF2
上のF2=下のF3
と言えるので、この二つの周波数に相当する周期は多重周期として確実視出来ると思います。
また、それぞれの振幅の強さの順も共通点です。
異なる点
下のF1、F4、F5と言った2.0、1.0、4.0という周波数は上には全く出てきません。
昨年のデータをPDM解析してみた結果です。(周期0.1-1.0日)
今年のデータのを再度載せます。
随分と印象が違いますね。ただ、周期ほぼ0.5日のところに両方共一番強いピークがあります。それぞれの周期で位相図を作ってみます。
昨年のデータから
今年のを再度載せます。
昨年のデータでは長い周期の変動はほとんど見えませんが、今年のは短い周期の変動が長い周期の変動の上に載っている感じです。
下の位相図の周期が見事に半日弱なので、昨日はこの変動がひょっとしたら変光星と比較星の色の違いによるのかもしれないと思っていました。観測する時刻は毎回ほぼ同じで、観測終了間際には星の高度が低くなり星の色の違いによって変光星が見かけ上暗くなる可能性があるからです。でも、昨年のデータではそういうことが起こっていないので、今年の変動はリアルと思って良さそうです。
KaiV61 昨年12月に見つけたDSCT型の新変光星
昨年12月にV343 Lacの観測中にこのKaiV61を見つけました。
変光範囲は狭いですが周期が短いたて座デルタ型(DSCT)の脈動変光星です。
面白いのはこの波形が時には随分と変わるのです。下のライトカーブは今年10月18日のものです。
これはこの変光星の脈動が単一周期ではなく多重周期で変動することによります。
その多重周期を見つけるためにはフーリエ解析のソフトで見つけます。この9月からの観測データを解析した結果です。
F!からF7まで見つけた周波数がFrequencyの欄に載っていますが、これは一日あたりの周波数ですので、周期にするとその逆数(単位は日)となります。
例えばF1はほぼ周期半日です。
同じデータセットをPDM解析すると0.1日から1日の範囲ではこのような結果になります。
この図での二つのピーク(むしろ谷)がそれぞれF1 F4に相当します。
F1の周波数で位相図を作るとこのようでした。
これがDSCTタイプの多重周期に相当するのか、それとも他の原因で変光しているのかはわかりません。(いつかのASAS113840-0026.5を思い浮かべました。)
F2の周波数で位相図を作るとこのようでした。
GT Lacの要素改訂がVSXに受理されました!
ASAS-SNのデータを使って周期を見つけた縁で、自分でも観測をして周期をもっと精密に求め、位相図を完成し、VSXに改訂案を送り、今日ようやく受理されました!こう書けばたった二行ですむことですが、随分と大変でした。
完成した位相図。。
改訂されたGT Lacのページです。
https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=detail.top&oid=16791
久しぶりにV343 Lacを観測
このところ、V443 Cas の観測に時間を取られていましたが、一応大体の様子がわかってきたので、またV343 Lacの観測をしました。食外のはずで、特に食など派手な変光がある時ではないとわかっています。むしろDSCT的な小さな変動を観測したかったわけです。
周りの新変光星も相変わらず元気です。
KaiV58
KaiV59
KaiV60
V443 Casの続きです
これの続きで、昨晩周期を2.74..日とした場合のフェーズ0.5付近を観測できました。期待通り、減光が受かりましたので、それが第二極小と思われ、周期も2.74...日に確定でしょう。
倉敷の赤澤さんにお願いして、先日極小を観測していただきました。暗い星の上に、悪条件下でしたが、貴重な観測をしてくださり、他のデータを組み合わせて周期が次の位相図のように決定できました。
水色、青が赤澤さんの観測で、緑が私の、フェーズ0.0のピンクの点はHoffmeisterの観測です。
タイプはEAでしょうね。以前も書きましたが、唯一気になるのは第二極小の軸に対してライトカーブが対称ではないことです。第二極小後のカーブが欲しいです。