KaiV61 昨年12月に見つけたDSCT型の新変光星
昨年12月にV343 Lacの観測中にこのKaiV61を見つけました。
変光範囲は狭いですが周期が短いたて座デルタ型(DSCT)の脈動変光星です。
面白いのはこの波形が時には随分と変わるのです。下のライトカーブは今年10月18日のものです。
これはこの変光星の脈動が単一周期ではなく多重周期で変動することによります。
その多重周期を見つけるためにはフーリエ解析のソフトで見つけます。この9月からの観測データを解析した結果です。
F!からF7まで見つけた周波数がFrequencyの欄に載っていますが、これは一日あたりの周波数ですので、周期にするとその逆数(単位は日)となります。
例えばF1はほぼ周期半日です。
同じデータセットをPDM解析すると0.1日から1日の範囲ではこのような結果になります。
この図での二つのピーク(むしろ谷)がそれぞれF1 F4に相当します。
F1の周波数で位相図を作るとこのようでした。
これがDSCTタイプの多重周期に相当するのか、それとも他の原因で変光しているのかはわかりません。(いつかのASAS113840-0026.5を思い浮かべました。)
F2の周波数で位相図を作るとこのようでした。