muttenz's blog

スイス星空だより

V392 Perをようやく見られた

5月5日のこどもの日、実に10日ぶりに晴れました。

早く見てみたいと思っていたV392 Perをようやく拝めました。

とはいっても残念ながらもうVで8等台まで暗くなっています。1時間足らず4色で観測してみました。目立った変動は受かりません。Icだとまだ6等台!

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古代エジプトの墓所

今日はアイスランドから一転して、3000年以上昔のセティ1世の墓所を訪ねました。といっても本物ではありません。バーゼルのAntikenmuseumでやっている展示です。(いつかアンティキティラメカニズムの展示をやっていた博物館です。)

http://www.antikenmuseumbasel.ch/en/ausstellungen.html

今度の日曜日までなのであわてて今日行ってきましたが、夕方5時からは無料!しかも立派なカタログをタダでもらえました。(もうあと数日の展示なのであまったカタログをただでくれたのかも?)

素晴らしかったです!壁画を3Dカメラでディジタル撮影してそれから3D印刷ではなくて、コンピュータ制御のフライス盤で立体的に壁画の凸凹を作り、カラー印刷したものをその上に貼り付けると言う、大変な作業で壁画を再現し、それを組み合わせて墓所の部屋を実物大に再現したものです。

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この墓所は200年くらい前に発見されましたが、以来大英博物館、ルーブル博物館、ベルリンの博物館や個人で壁画の一部を剥がして持ち去ったので、そういうところはもちろん再現されていません。ひどいことをしたものです。上の写真でなにもないところがそういう箇所です。

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このレプリカ、正式にはファクシミリと表現されていました、本物に見えます!色の塗りなども筆の跡がわかります。

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天井は星、星、星。。です。

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このような正確な実物大のレプリカを本物の近くに作って、観光客にはそこを体験してもらうようにして、本物が傷まないようにするということを考えているようです。たしかアルタミラの洞窟もそのようなものを作ったときいています。バーゼルに居ながらにして、セティ1世の墓所を体験できるとはすごい。

もっと写真を見たい方はぜひこのサイトを見て下さい。

https://www.google.ch/search?q=antikenmuseum+basel+sethos&tbm=isch&source=iu&ictx=1&fir=8_FpxrtQN8sXrM%253A%252ChA_gv9_ATCX2VM%252C_&usg=__B8z8n1YjH0a5nmQCIcdhzGGWul4%3D&sa=X&ved=0ahUKEwiEwNaUsOraAhXG_iwKHViZCGkQ9QEIggEwBw#imgrc=8_FpxrtQN8sXrM:

アイスランドの旅 追記(オーロラなど)

 三日目の夜、晴れて月もないのでオーロラが見られないか真夜中にJさんと出かけました。彼がアクレイリの町の光がじゃまにならないようなところまで車で走ってくれ、車から降りて夜空を見上げました。北極星は感覚的には頭上に見えます。(もちろん仰角66度前後のはずですが)しし座がかなり低い位置!しかし寒い!暖かく着込んできたつもりですが、10分車の外にいるとじんじんと冷えてきます。最初は何もオーロラらしきものは見えません。しばらくしたらかすかに見えます。小さな三脚を地面において8秒露出で撮ってみたら確かに写るので、目の錯覚ではなかった。

左半分がペルセウス座、右上にカシオペアがちょっと見え、左下隅にプレアデスが見えます。中央よりやや下で水平にぼんやりと左から右に見えているのがオーロラです。

(クリックして大きくしてみて下さい。)

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全部で3回見られました。これは3回目ので、ぎょしゃ座の下に現れました。右下にプレアデスが写っています。

 

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コンピュータで見るとこの8秒露出の画像でもぎょしゃ座の散開星団がいくつも写っていました。

私がスイスに戻った後、別の夜にJさんがはっきりとしたオーロラを写し(手持ち撮影です!)、送ってくれました。

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こんなのを見たかったなぁ!

 

それからアイスランドで幾つか気がついたことなど。

アイスランドに到着してバスで走っていてまずあれっと思ったのは木がないこと。レイキャヴィクの市内はありますが、郊外では木は少なく、山にはまず木は生えていません。最近になって山にあちこちで植林されているそうですが、面積としてはホンの僅かです。やはりここの寒さは木にはかなりきついのでしょう。夏には低地では緑が一面に見られるそうで、書いたように牧畜も行われています。Bさんの誕生日にはお花をプレゼントしたのですが、アイスランドでは花はかなり高価です。

ご存知のかたも多いと思いますが、アイスランドでの名字はその人の父親の名に、男性ならば-sonを女性ならば-dottirをつけて使っています。だから名字は親子孫とどんどん変わっていくわけですね。正確にはこのウィキペディアを見て下さい。

アイスランド人の名前 - Wikipedia

それからアイスランドはユーラシアプレートと北アメリカプレートの境界にある島で、その両プレート上の部分は東と西に年々離れていっているということです。四日目に行ったガスや蒸気が立ち上っているあたりからもう少し東の方にその地溝帯が南北に走っているそうです。アイスランド観光文化研究所のサイトに詳しく載っています。

アイスランドの地勢の特徴

海嶺が海面から出ている珍しい例だそうで、このサイトには沢山の写真が良く撮られています。

ゴールデンサークル

 

アイスランドの旅 七日目と八日目

アイスランド滞在も終わりに近づいて来ました。レイキャヴィクからスイスに戻る便がまた朝早く八時で、その日のアクレイリからの飛行機の便では間に合うのはありません。なので前の日、つまり七日目にはアクレイリからレイキャヴィクに移動しなければなりませんが、友人夫婦の意見ではバスで行くのもあちこちみられて良いよとのこと。約6時間かけて450kmのバス旅行です。高齢者割引もあって約4000円。途中お昼ごろに30分停車がある以外は10分程度の休憩が2回。トイレはちゃんとバスについています。しかもこのバスにはWifiもあってインターネットは使い放題。(決して速くはないですが、使えます)お客は少なくて七人ぐらいでガラガラでした。

これがそのバス。

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アクレイリからもう94km走りました。

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インターネットといえば、友人夫婦のところにはWifi環境がなかったのです!(彼らは年に2-3回スイスからやってくるのでWifiは無駄)バスに乗って車中から写した景色をフェースブックに投稿しました。これがその写真。

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レイキャヴィクに近づいたらこんな景色が見えてきました。1週間前にレイキャヴィクから飛行機で飛び立ってすぐに見えた谷です。

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比較のためにもう一度、下は飛行機からの画像。

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比べてみると少し雪が溶けたかもしれませんね。

グーグルマップでは。

https://www.google.ch/maps/@64.263105,-21.7931894,9760m/data=!3m1!1e3

レイキャヴィクに到着してからはバスですぐにケフラヴィークの国際空港に向かいました。というのもレイキャヴィク、ケフラヴィークの間はバスで45分はかかるので、空港そばのホテルに予約したからです。その晩はのんびりして早く就寝し、あくる朝の早起きに備えました。八日目は五時半起き。朝食をとって外を見ると風が強く土砂降りです。空港のそばのホテルとはいえ歩いて数分はかかります。屋根もないところを傘もさせずトランクをガラガラと引きずって行くのは結構大変でした。飛行は問題なく、バーゼルの空港についてから自分の車に乗ったらホッとしました。そして午後四時ごろに無事に帰宅。アイスランド一週間の旅の終わりでした。

 

アイスランドの旅 六日目

私が泊めていただいた友人夫婦の旦那さん、Jさんはアクレイリの生まれ。奥さんのBさんはスイス人です。今日はJさんのひいおじいさんがかつて住んでいた農家のあたりを訪れることにしました。アクレイリから南にちょっと走るとほとんど人家らしいものはなくなります。そんなところにも小さな教会が建てられていました。

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建て方はこのあたりの昔の家の建て方で、壁は石を積んでそこに粘土質の土の塊を積み上げ、屋根には草が生えた土を載せます。

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内部は木で作り上げてあります。残念ながら鍵がかかっていて、入って見ることは出来ませんでした。

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教会の向こうに見える屏風のような山がここから南へずーっと続きます。教会の裏手の庭から撮りました。

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さらに30分ぐらい走ったところにJさんのひいおじいさんが居た農家がありました。

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ひいおじいさんが実際に住んでいた建物は取り壊されて現在の建物がそのあとに建てられました。いま住んでいる人達は1930年頃に農場を引き継いだ人達の子孫だそうです。Jさんは子供の頃から何度もここに来たことがあるそうですが、住んでいる人たちに直接会って話すのは初めてだそうです。おばあさんが、どうぞどうぞと家の中に快く迎えてくれて、お茶やらお菓子やら出して歓迎してくださいました。見渡す限り他には家は見えません。冬の厳しさ、地理的不便さ、寂しさなどを思うと、良くこのようなところに住むものだと思いますが、お話を伺うとここに住んでいることが本当にとっても幸せな様子。確か幸福度の調査でアイスランドの人たちは世界のうちでかなり上位だったような気がします。とても考えさせられました。

下の写真の中央右下付近に小さくかたまって見える建物が上の農家です。

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Jさんのひいおじいさんがいた頃に使われていた家。屋根は土のかわりにトタン屋根になっていますが、オリジナルではありません。

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 追記

グーグルマップで上記の農家を見ることが出来ます。

https://www.google.ch/maps/@65.3401878,-18.2446717,1728m/data=!3m1!1e3

真ん中に見えるいくつかの建物がそうです。ズームアウトすると周りの様子がどんなに寂しいものかわかると思います。

アイスランドの旅 五日目

この日は友人夫妻の奥さんの誕生日で、二組のアイスランド人のご夫婦を夕飯に招待することになっていました。しかも三日目、四日目と車でかなり走ってもらったので、走るのはやめて、アクレイリの町に食料品などの買い物に出かけました。

これはアクレイリの町をフィヨルドの対岸から撮った写真です。

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Akureyri

今日はアイスランドの食品事情などを書いてみます。

面白いと思ったのはアルコール類が国の専売で、それ専門のお店があり、普通のスーパーや食品店ではアルコール類は買えないのです。日本のお酒があるかどうか尋ねてもらったら、日本酒が二種類ビールが一種類ありました。

それから、ジャガイモでアイスランド特有の種類がありました。わりに小さめの丸っこい種類ですが、色が黄色っぽいのと赤っぽいのと二種あります。食べてみましたがあまりクセもなく美味しいと感じました。

アイスランドの人は甘いものが大変に好きだとのこと。お菓子やさんが大繁盛しています。アイスクリームも当然大好きだそうで、この寒い中でも、アイスクリームの専門店が大変に賑わっているそうです。

食べ物では、もちろん魚が大変に新鮮で美味しい。タラと鮭を食べましたが、評判通りでした。

牧畜では牛、馬、羊が主らしい。牛はまだ寒すぎるらしく外にいるのは見ませんでしたが、馬と羊は雪があってもあちこちで放し飼いになっていました。この日の誕生パーティーには羊肉のスープ料理が出ました。

昨日、地熱発電が行われていると書きましたが、アクレイリの町は近くで得られる地熱で全暖房がまかなわれているそうで、温水を運ぶための太いパイプラインが道路に沿って作られています。電気はほとんど水力発電なので、かなりエコロジーな国のようですね。

日本も火山国なのだからもっとそのエネルギーを使えないものでしょうか?