ケプラーの観測データから極小時刻を出したい
ケプラーの観測はご存知のように雲も夜もないのでほとんど途切れることなく何日も観測されます。
こんな具合に極小が14回観測されています。(このグラフはFluxで表現されているのでmag.とは印象が随分異なります。)
この極小観測の極小時刻をなんとか得られないかと考えました。
しかし極小付近のデータ数はまちまちでしかも割に少ないのが問題です。(上の図をご覧ください。)
例えばそれぞれの極小付近のデータポイントをminima v2.3に取り入れてフーリエカーブで極小を出すとか、極小付近のカーブ(例えば昨日ブログに載せた位相図から)を取り出して代数的にそれを表現して毎回極小のところにそれを当てはめて極小時刻を求めるとか。どれも実現不可能と思われます。
いろいろ考えた末、次のようにしました。
データ全体をまず光度-11.1より暗い第一極小へ落ちている部分だけに絞ります。
ケプラーのデータの精度は極めて良いので、PDMで得られた周期Pで位相図を作るとほとんど例外なくきれいにカーブにのります。
Pと一番暗いデータを極小時刻として各データポイントの位相phを計算します。ph は極小付近だけなので0.9から0.1ぐらいの間に入ります。
BJD ph
2456773.51918 0.9600307963354
2456773.53961 0.9685223322029
2456773.56004 0.9770139096799
2456773.58047 0.9855054041315
2456773.70306 0.0364546607527
2456775.93011 0.9620320780561
各データの時刻tとすると、
min = t + (round(ph) - ph) xP
を各データごとに計算します。
例えば上の数値だとこんな風になります。
BJD (round(ph) - ph) min
2456773.51918 0.0399692036646 2456773.61535
2456773.53961 0.0314776677971 2456773.61535
2456773.56004 0.0229860903201 2456773.61535
2456773.58047 0.0144945958685 2456773.61535
2456773.70306 -0.0364546607527 2456773.61535
2456775.93011 0.0379679219439 2456776.02146
最初の5行で計算した結果は見事に同じ値、2456773.61535となりました。
このようにして一気に14個の極小時刻が得られました。
Nはホフマイスターの極小観測以来、N番目の極小という意味です。
min I N
2456773.61535 7634
2456776.02146 7635
2456778.42758 7636
2456780.83369 7637
2456783.23980 7638
2456785.64592 7639
2456788.05203 7640
2456790.45815 7641
2456792.86426 7642
2456795.27038 7643
2456797.67649 7644
2456800.08261 7645
2456802.48872 7646
2456804.89484 7647