KaiV110の発見からVSX登録まで 「観測をするとしないとでは。。。」
「観測をするとしないとでは無限大とゼロの差がある」という本田實先生のお言葉を倉敷の赤澤さんが座右銘としておられると、かつて教えて下さいました。
そのことを実感したのが2020年11月6日でした。
その日、久しぶりに観測ができそうな天気が巡ってきたのですが、KaiV110を観測出来る時間はもう短いし、いくつかの候補の周期での予報ではその日は極小もないはずで、KaiV110を観測するべきか他の変光星を観測するべきか迷いました。しかし、やりかけたことは出来なくなるまでやってみるかと、その晩KaiV110が隣家の屋根の向こうに沈むまで観測しました。
明くる土曜日には、せいめい望遠鏡の公開インターネット中継があり、2019年に見せていただいたのを懐かしく思い出しながら、午前中はその中継をずっと見続けました。その後で前の晩の観測を整約し、本当にびっくりしました。自分が作った予報ではないはずの極小が、なんと観測の終わりの方で受かっています。これがそのライトカーブです。
今から考えると特に根拠はないのですが、そのころKaiV110の周期は長めの周期、短くて3-4日以上ぐらいだろう考えていました。しかしそれまで仮定していた周期は見事にハズレでした!
そこで11月6日の晩に極小が来る周期を探したら、2P/7でそうなることがわかり、ただちにその周期で位相図を作成しました。
これで周期は2.5726日に決定できたと思いました。。。