このところずっと、ぎょしゃ座のある星を観測していたら、10日ほど前にその写野で暗い星が変光していることに気が付きました。今までの観測フレームを見直したら何度もその星が写っているので測光してデータを処理したらほぼ0.80日の周期のEAとわかりました…
7月20日のブログでB - V と BP - RPという色指数の関係式について書きました。 Gaia DR2のGmag、BPmag、RPmagデータからVmagなどの推定値を得る 新しい試み(4) - muttenz's blog ここにB - V 、V - Rc、 V - Ic とBP - RP の関係図と推定式をまとめてお…
最後にIcバンドに関する図、推定式です。 Ic= Gmag - ( 0.003467 * bprp ^ 3 + -0.090290 * bprp ^ 2 + 0.718688 * bprp + 0.038816) gIcとLandoltからのIcの差の標準偏差は Ic= 0.0214
今までBバンドとVバンドの推定式を記載しましたが、同様にRcバンドについて図と推定式を記載します。 推算式です。 Rc= Gmag - (-0.024190 * bprp ^ 3 + -0.057060 * bprp ^ 2 + 0.325737 * bprp + -0.003917) gRc - Rc の標準偏差は 0.0214 です。
今までの続きとして、RcバンドとIcバンドに関して記述してもよいのですが、別の視点からデータを解析してみました。 先日大島修さんが掲載しておられた「測光システムとフィルター 標準星」 otobs.org を読んだ時のことを思い出しました。 今までは Gmag - V…
Vバンドに関して行ったことをBバンドでもやりました。 説明は同じなので省いて、図だけを掲載します。 Gaia DR2から推定したBバンドの光度gBの推定式はgB = Gmag - ( 0.079788 * bprp ^ 3 + -0.436169 * bprp ^ 2 + -0.609623 * bprp + -0.004176) となりま…
Landoltの星表にある各星の位置情報からそれに対応するGaia DR2のデータを取得することを金田さんがやってくださったわけですが、プログラムでそれを自動化してもそう簡単なことではなかったそうです。 Landoltに記載の星でGaia DR2に対応する星がなかったり…
このタイトルで今年の初め頃にも一度ブログに書きました。 muttenz.hatenablog.com この時に使ったのはGaiaのホームページにあった、Gaiaの測光システムと色々な測光システムとの関係式でした。 その際、V、Rc、Icの推定光度をGmag、BPmag、 RPmagから得るの…
スイスでは今年は5月も6月もひどい天気でした。しかも緯度が高いので夜が極めて短い時期です。なので数晩晴れた時に周期が短い食変光星、RV CVnを観測してみました。 周期が短いので数回の観測から全位相図を作ることができました。特に変わったEWではあ…
私とスイスの有名なフルーティストのグラーフさんの名が小惑星につけられました。金田さんと上田さんが見つけられた小惑星で、5834 Kasaiと5856 Pelukです。 グラーフさんは友人たちの間ではPelukと呼ばれていて、Grafではなく彼の希望でPelukとなりました。…
今年のスイスの春は非常に天気が悪く、五月は毎日のように雨が降り、寒くとても春とは感じられませんでした。五月の平均気温は30年ぶりの低さだったそうです。 望遠鏡がまだちゃんと動くか心配でしたが大丈夫でした。ただCCDカメラの中の水分がやや増えて…
数日前にMoriyamaさんがvsolj-obsへの観測報告にNSV 3506が通常より2等ぐらい暗くなっていますと書いておられました。 [vsolj-obs 70568] CCD変光星観測報告(2021/03/03) by Myy それについてvsnet-eclに加藤さんがこのように投稿されました。 [vsnet-ecl 7…
先月、札幌の金田さんからメールでGaia DR2の年周視差にマイナスの値があるものがあるのですが、一体どう解釈すればよいのでしょうと質問をいただきました。 えーっ!?本当にそんなデータがあるのですか?とお尋ねしたらサンプルを送って下さいました。 plx…
1月16日に伊藤さんがVSOLJにV831Aurの観測報告をしておられ、その中で極小予報が4時間位ずれていて、極小観測ができなかったと書いておられました。VSX(GCVS)の元期や周期は2000年頃のでそれほど古くもないのに4時間のずれは大きいです。ひょっと…
このテーマについて2019年3月にブログで一度書きました。 muttenz.hatenablog.com その後新しい論文が出てそちらの方が使いやすいので、紹介します。 gea.esac.esa.int 2019年の手法だと方程式を解くというような手間のかかる方法でしたが、ここで…
前回書いたようにASASSNデータを修正する必要がないので、gデータだけを少しずらしたデータ(このシリーズ初回のブログ参照)をPDMにかけて周期を探したら246日が得られました。 APASSにデータがないか探しましたがたった一つの測定値しかありません。し…
YmoV31はへびつかい座にあって天の川のなかで周囲は星だらけです。 ミラ型のように変光範囲が大きいと周囲にある微光星の影響も無視できません。というのは変光星が暗くなった時期のASASSNデータは、周囲の微光星の光を変光星の光と区別できず、変光星の光度…
昨年末に個人的に山本さんからメールを頂き、長周期の変光星 YmoV31 (山本さんが個人的に付けておられる仮名称)を見つけたが新変光星だろうかとのご相談を受けました。 VizieRで検索してみると、ATLASで変光星として登録されていますが、タイプは IRR (Ir…
2019年の観測はVフィルターで行いました. そのデータと2017年、2020年のCフィルターでの観測の食外の光度を比較しました。Cフィルターでの観測データで比較星の光度にV光度を使うと(このような場合、VSXではCVデータと表記することになっていま…
周期を2倍にして9月19日までの2020年の全観測データを位相図にしました。 元期は今まで通りで、周期は今までの4.1332日の2倍で8.2664日です。 この要素でそれぞれの極小付近を拡大してみますと。 第一極小付近です 第二極小付近です 第二極小がフェ…
前々回書きましたように、1年前の極小が位相図でちゃんとフェーズ 0.0 に乗るという事はこの周期はかなりの精度があると保証されます。 前回書いたような予報と極小時刻がずれたということは、今までの極小とずれた極小は異なる極小という結論に達しました…
昨年の9月はかなり良い天気が続き、14日は予報どおりに極小が受かり、次の極小は18日夜の予定でした。その晩はバーゼルの音楽堂が4年がかりで改築されて新しく入ったパイプオルガンのお披露目の演奏会がありました。遅くなって帰宅し、まずSS CYGを赤…
基本的にはどんな観測でも、測光後必ず変光星が無いかフレームをMuniwinでチェックしていますが、たまにはある星の変光に気が付かないこともあります。 あまり大きな期待はせずに2019年のKaiV67を撮影したフレームを全部チェックし直したら、かなりのフ…
この変光星を発見するきっかけとなったKaiV67はもう足掛け3年ぐらい観測しています。2017年に観測したフレームに写っていないか全部チェックしたら数回写っているので測光しました。残念ながら極小の観測はありませんでしたが、このような食外のデータ…
2020年の夏は良い天気が頻繁にありましたが、極小予定の日にちょうど晴れるまでさらに4週間かかりました。8月20日から21日にかけての夜に3回目の極小を観測できました。 これで4日あまりの周期はそう外れた値ではないことがはっきりしたのでそれ…
2020年7月18日にKaiV107の極小が受かってわずか4日後にまた極小らしいものが受かりました。 早速この2回の減光が重なるように周期を探すと、4.016日ぐらいとなりました。 昨年のそれまでの全観測データとこの周期でとりあえず位相図を作成しました。
これから書くことはCanon EOS Kiss X7のリニアリティとは直接関係は無いのですが、その時に調べたデータからcGmagとVmagのズレが星の色によってどのように変わるかを数少ないデータですが調べてみました。 調査では15の色々な明るさの星を選びましたが、星…
前回のKaiV110が発見されたのと同じようにKaiV67を観測中に2020年7月18日に発見されました。発見時のライトカーブです。 とってもはっきりした変光なので、これはもうどこかのサーヴェーですでに発見されているだろうと思ったのですが、意外にもASASS…
正しいと思われる周期が見つかり、それで作った位相図もリーズナブルなものなのでいよいよVSXに登録を準備できます。 フェーズ0.0付近を対称にしたり、いくつかの極小観測ができるだけ重なるように周期や元期を少し変化させたりして微調整をします。たとえば…
前回載せた位相図をもう一度 この位相図を見てフェーズ0.75付近で赤いデータの凹みがあるのがどうも気に入りません。赤いデータは2020年8月の観測で、この凹みの部分のフレームを念入りに見たり、比較星が変光していないかなどを調べたりして原因を探し…